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38-8


 俺達が聖域(こっち)に戻ってきて、ちょうど1日が経過した。なんだかんだで、最初は戸惑っていたイアロ、スーチェ、ドルチェの3人も、悪意が無いのがわかると、すぐに打ち解けていった。それを見て和む俺。

 そんな俺に重大な案件が舞い込んできた。

 その案件は俺達全員の将来に関連してくる超重要な案件と言っても過言じゃない。

 その案件とは……なんと! ドルチェが万里華のことをお姉ちゃんと呼ぶのを聞いてしまったのだ!!!

 さすがの俺でもこれには、空いた口が塞がらないどころか体が硬直したような感じまで味わってしまった。


 普通の人にとって、11歳の少女が20歳の女性に対して『姉』という単語を使うのはあり得ない話じゃない。実際、万里華は高校生と言っても遜色の無い可愛い顔立ちをしているし、世話焼きで頼りになる一面もある。

 しかしだ! たった一つどうしても納得いかないことがある!!

 それは!!! 彼女は俺と同い年だということだ!!!

 むしろ、5月生まれの彼女は、7月生まれの俺より若干歳上という立場になるのだ!

 それなのに!! どうして俺はおじさんなんだ!!!!

 おかしいだろ!!

 同い年なんだからせめて俺のことも可愛くお兄ちゃんと呼んでくれよ!!

 ……確かに、麒麟の爺さんが創った空間では、ずっとおじさんと呼ばれ続けた。その時は別に、どうせ短い付き合いだし、別にいっか……と軽い気持ちで許容したさ。だが! 一緒にこれからも暮らすとなれば話は別だ!!

 これから先、長い年月をずっとおじさんと呼ばれて生きるなんて考えただけで嫌だ!

 一応、呼び方変更をお願いしたこともあるが、呼びやすいからやだ……と言われては無理矢理変えるなんて出来なかった。

 ……まぁ、それで怒ったりするのもおかしな話だし……イアロがたどたどしくお兄ちゃんと呼んでくれた時に違和感しか感じなかったので、諦めることにした。

 どうせなら、先生と呼んでもらいたい欲はあったが、それは保育士になってからのお楽しみにしよう。


 そんな感じで今日も終わろうとした頃、自室でユリスティナと談笑していると、女将姿の天使に呼び出された。


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