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38-5


「昨日の話にもあったな……。そうしなければ、均衡が保てなくなって島が災厄に見舞われるとかなんとか……」

 しかし、それならば助け出した白虎族の子達から新しい眷族を選べばいいんじゃないだろうか?

 ファルナはともかく、他の3人は完全に無関係なのだから、別に眷族の地位を剥奪する必要はないんじゃないのか?

『おそらく優しい小僧のことじゃから、他の3人からは眷族の地位を剥奪する必要がないと考えておるかもしれんが……』

「……なんでわかんだよ……」

『残念じゃが、それは不可能じゃった。詳しい理由は神のわしでもわからんが、白虎族から次の眷族候補が産まれる可能性はゼロになるらしい。なんでも他の3種族に眷族候補がいる限り、産まれることは無いそうじゃ……』

「……じゃあ、他の3人を眷族として上げるってのは? 今の白虎さんには残ってもらって……」

『それも不可能じゃ。白虎だけ残ってもらうなんてことは出来ん』

(……なんで会話が成立してんだよ!!)

 めくったページの内容に訳がわからなくなりながらも、理由はだいたい理解出来た。

『だからこそ、君の修行を行っていたあの空間に置いておった。しかし、眷族候補の力を剥奪されたことにより、3人には暴走する危険性が出来てしまった。

 次世代も無事産まれることが確定し、その子達の存在はもはや、ただの危険な生命体になってしまったのだ』

 その内容に、俺は地下街で起こったことを思い出していた。

 あの時、暴走してしまったファルナは、地下街を暴れまわり、多大な損害を出していた。

 救世の使徒達による迅速な対応によって、怪我人が出たくらいで済んだが、3人の時も死者が出ないとは限らない。

『ファルナの暴走を止めた君なら、その危険性がよくわかっているだろうし、その止め方も知っているだろう。だが、わしが君にその子達を託した理由はそこじゃない。

 君が子どもに対して悪意ある行動を取らない大人だからこそ、その子達を託すのだ』


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