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37-10


 麒麟の爺さんが話してくれた話は以前イアロから聞かされたものと酷似していた。だが、彼の口から語られた話の内容には新たな真実もわかった。


 俺は爺さんがファルナを見捨てたのだと思っていた。だが、違った。

 新しくなった南大陸こそがファルナという少女を白虎族の長として認めなかったのだ。

 他の白虎族は受け入れる南大陸、だが、大陸を死の土地に変える原因を作った少女を受け入れるつもりは無いのだと麒麟の爺さんは早々に覚ってしまった。

 ファルナをこのまま眷族候補にしたままでは、遠くない未来、南大陸は崩壊する。しかし、ファルナから眷族候補という地位を取り上げれば、同じ眷族候補のイアロ、スー、ドルチェの3人からも眷族候補の地位を奪わなければならない。

 しかし、それにも問題がある。

 暴走する可能性だった。眷族候補の地位を奪っても神獣化という産まれもった力は剥奪できない。だが、神の加護無しではその力は自分の体を内側から蝕む毒と化してしまう。

 それは、4人に死よりも辛い経験にあわせるということだ。

 それならばいっそ……死なせるべきなのかもしれない。

 爺さんがそう思った時、目の前にパルシアスが現れたそうだ。

 パルシアスは、女神様からの言葉を伝えに来たと言って、彼に近付き、こう助言したという。

『悪しき人間達のせいで住む場所を失ってしまった憐れな少女……ですが、彼女ならその子を良き未来に導いてくれるかもしれませんよ。彼女には眷族が必要ですし……その子を眷族にさせてみてはいかがですか? もちろん、わたくしめも貴方の力にならせていただきます』

 爺さんにそう伝えたパルシアス。何を考えているのかわからない時空神を信用したり、貸しを作ったりするのは危険かもしれない。そうは思っていても、4人の命を奪うよりかは幾分ましだった。

 そして、爺さんは断腸の思いで決断を下した


 これにより、ファルナは南大陸から追放され、イアロ、スー、ドルチェの3人は自分の空間で管理することとなった。

 その大きな要因はパルシアスの助言が元であり、俺の修行に付き合ってくれた大半の理由もパルシアスにその時作ってしまった借りを返す為だと教えてもらった。


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