表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
526/970

36-12


 道中色々とあったが、ようやく第2試練の場に着いた。

 しかしながら、先程とは違って、何か書かれた看板があるだけだった。先程のこともあり、俺はイアロを近くの木に寄りかからせて、試練に挑む。ちなみにスーはドルチェをイアロと同じ木に寄りかからせた後、自分自身も木に寄りかかり始めた。相当疲れたのだろう。ファルナは、試練前にお手洗い行ってくると言って、俺から少し離れた場所に移動してもらった。少女のトイレを覗く趣味は俺に無いので、容器に入った水とタオルを渡しただけだ。

 さて、そんなことよりも試練だ。

 先程の件もあるし、今度は準備をしっかり整えてから始めるとしよう。

 そんな訳で看板を読んでみた。

『第2試練は林檎の試練、この森のどこかにある林檎を食べれば試練クリアである。ちなみに、ここより上には結界があるため入れない。諸君らの健闘を祈る』 

(…………バカじゃねぇの?)

 それが俺の率直な感想だった。

 そもそもここまで来るのに3時間近くかかってる。移動時間は2時間程だが、それでも真っ直ぐな道のりだ。山全体とは訳が違う。

 それをこっから下にある林檎を探せというヒントだけでやれと言うのだから絶望的だろう。

 剥き身か、箱に入ってるのか、はたまた木になっているのか、見逃せば終了不可能とも言えるこの試練は俺の心を折るには充分な内容だった。

(無理だってば……俺だけでも絶対不可能と思えるこの試練に、子どもを背負って探せ……はは……なんか笑けてきたわ……疲れがどっと来やがった……)

 両膝をつきながら、項垂れていた俺は誰かが近付いてくる気配を感じた。

「お兄さん、大丈夫?」

「……ファルナか? 戻ってきてたのか……」

 横から声がかけられ、顔を上げる気力すら湧いてこない俺は地面を見ながら、そう答えた。だが、彼女の大丈夫という質問に大丈夫とは言えなかった。

「うん! さっきね……」

「ごめんな、ファルナ。今ちょっと疲れてるんだ。ファルナもここまで歩きだったし疲れたろ? スーちゃんと一緒に休んどいで」

「……わかった……」

 ファルナの返事を聞き、俺は彼女に「ありがとう」と短くお礼を言った。そして、体を休める為に木の根元まで移動して、木にねんかかった。

 これからどうするか。

 それを考えようとした瞬間、隣にファルナが寄り添うように座ってきた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ