36-4
初めは何かの冗談かと思ったが、麒麟の爺さんは本気だった。初日の俺が期待以上だったそうで、元々考えていた天使達の支援は無しになった。
褒められたことを素直に喜べばいいのか、自分の首を締めたと嘆けばいいのかわからなかったが、それでもあの日とった行動に悔いはない。
例え、やれば食事を抜きにすると言われていても俺は絶対に動いたと思う。それくらい切迫した状況だったし、やらなきゃ後悔すると思った。
というか、やらないという選択肢がそもそも無かった。
そんなわけで、大ピンチを迎えた俺だったが、そんな俺を助けてくれたのは聖域にいるはずの万里華達だった。
彼女達は女神様達を通じて、俺のアイテムボックスに5人分の食事を用意してくれていた。
俺が居なくなってしまったことについて言及するシェスカからの手紙も目立ったが、4人からの手紙も目頭が熱くなった。
彼女達のことが不安ではあったものの、ハナさんが筆頭を務める眷族達が護ってくれるそうだ。ハナさん曰く全員女性で構成された大地の女神様の眷族達はアマゾネスと呼ばれているらしく、ミハエラさんも太鼓判を押している。不安が無いと言えば嘘になるが、とりあえず信じることにした。
それから20日程経った今日、俺はいつも通り朝食の用意をするためにアイテムボックスを開いた。するとそこには朝食と手紙の他に、もう一つ巻物のようなアイコンがあった。
当然、俺に入れた記憶は無いし、そういうのが今までにあったという記憶もない。とりあえず朝食を取り出し終えた後、子ども達4人が眠そうにご飯を食べている場面を見ながらその巻物を取り出した。
その巻物の表紙には『麒麟からの試練』と書かれており、一瞬で誰が用意したのかを把握した。
とりあえず、今すぐ見る必要がなくなったため、朝食を先にとって、後片付けをした後、再びその巻物を手に取った。
そして、どんなことをさせられるのだろうかという興味本意で、その巻物を開いた。
直後に、俺は驚愕して素っ頓狂な声をあげた。
なにせ最初の1文に『チキチキ宝探しゲーム』と書かれていたのだから。




