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36-3


「この子達が俺の修行相手? ……はは……さすがに冗談だろ?」

 目の前にいるファルナとドルチェの方をもう一度見るが、二人は何もわかっていないのか首をかしげて俺の方を見ている。

「何故わしが冗談を言わねばならぬ。こやつらが本気を出せば今の小僧じゃ相手にもならんぞ」

 目の前の少女達が自分より強いなんて、何も知らないなら嘘だとしか思えない内容だが、残念ながら事実だ。特殊能力が封じられている今の状態では、同じ眷族という立場にあり、なおかつ【神獣化】という能力を持っているファルナには勝てると思えない。他の3人も麒麟の爺さんがそう言うのであれば、間違いなく【神獣化】を持っていると考えた方がいいだろう。

(……さすがに(紅華)を使えば勝てるかもしれんが……こんないたいけな子ども達に刀を向けるのは俺の流儀に反するからやりたくないしなぁ……)

「安心せい。今回は修行相手にこの子達の力を借りるだけじゃ。子どもを司る女神の眷族に子どもを斬れなんて言うわけなかろうが!」

「……しれっと心読むなよ……」

「顔に書いてあるわ。要するに明日からの修行において、小僧はわしの作るメニューをその子達と共にこなしてもらう……ただ……」

「ただ?」

 腕を組んでいた爺さんは、俺の元まで近付いてきた後、いきなり頭に手を置いてきた。

「なんでもないわ。とりあえず、その子達のことは任せたぞ」

 俺の頭を軽く叩いた爺さんは、そのままどこかに行ってしまった。相変わらず何を考えているのかわからないが、「ただ」という言葉が気になって結局この日は眠れなかった。


 ◆ ◆ ◆


 成長期の子ども達には、食事と睡眠が何より重要だ。俺が通っていた大学の先生はよくそう言っていた。

 しかし、俺は料理の類いが全くといっていいほど出来ない。

 食事のバランスとかを習ってはいたのだが、そんな細かい料理が出来る程料理がうまい訳ではない。

 そんな俺が子ども4人の世話をしろと命じられたのは、二日目の修行前だった。


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