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条件が揃わないと最強になれない男は、保育士になりたかった!  作者: 鉄火市
35章:実習生、新しい子どもと出会う
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35-6


(……なんだ? ……話し声が聞こえる……)

 死んだ時には大抵すぐ目を覚ますのだが、どうやら長いこと眠っていたらしい。そんな俺が目を覚ましたきっかけは少女のものと思われる話し声だった。

 うっすらと目を開ければ、夜空が広がっており、満天の星空が見える。それと3人の人影も見えた。

「あれ~? 今おじちゃんの目が覚めなかった?」

「ほんと? ボクにはわかんなかったけど……スーは見えた?」

「…………眠いし……どうでもいい……」

 すぐに目を閉じたせいだろう。少女達が俺の意識が戻ったかどうかの確認をしあっていた。

(赤髪の子……羽が生えてるんだけど……パッと見は人間なんだが……まだ疲れてんのかなぁ……)

 いきなりの光景に驚きはしたが、さっきまで何度も何度も殺されたことで疲労がたまっていると判断し、とりあえずもう一度、目を開けてみることにした。

「あっ、やっぱり起きてた!!」

「!!?」

 いきなり顔がドアップで視界に入ったことで、俺はびっくりしながら後退りした。


「ほ……ほんとに起きてたんだね。すごいよ、ドルチェ!!」

「でしょ~あたちって天才だから何でもわかるんだよね~」

 ボーイッシュな赤髪の少女と青髪のボブカット少女が話しているのを聞きながら、俺はもう一人の方に視線を向けた。その少女は暗い緑色の髪が寝癖でぐしゃぐしゃになっており、うとうとと眠そうにしていた。

「……ねぇおじさん、お怪我大丈夫だった? まだどこか痛むんだったらボクが治そっか?」

「え? ……ああ……大丈夫。ところでおっかない爺さんは何処かに行ったのかな?」

 可愛らしく上目遣いで聞いてくる少女に断った後に、俺は爺さんが何処に行ったのかを聞いてみた。

 目は覚めたが、明らかに体調が優れない。まぁ死んだ後に体調が良いもへったくれも無いんだが、とりあえずこれ以上は死の痛みを味わいたくなかった。


「はい。麒麟様は少し出てくると言ったきり、未だに戻ってきてはおりません。なので、おじさん……じゃなかった。アマミヤ様のお世話はボク達3人が行います。ご入り用の際は、いつでもお声かけくださいね」

 赤髪の少女は可愛らしい笑顔でそう説明してくれた。


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