表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
条件が揃わないと最強になれない男は、保育士になりたかった!  作者: 鉄火市
33章:実習生、予知を覆そうと躍起になる
480/970

33-40


 目の前に現れたタッチパネルが、その通信相手がホムラからだということを伝えてきた為、急いで繋いだ。

『……ダンナ……』

 耳に着けたインカムから届いた声は弱々しくなっていた。そして、それが誰からなんてものは、すぐにわかった。

「ホムラか? 無事か!! 無事ならそっちの様子を教えろ!!」

『…………』

 必死に呼び掛けるも、通信が続いていることがわかるだけで、それ以上のことはわからなかった。そのせいで自分の中で焦りだけが募っていく。

「……俺は今、扉の前にいる。今すぐこの扉をぶっ壊してそっちに行くから、もう少しだけ待ってろ!!」

 本当は壊す算段なんて無かった。唯一あるとすれば、イメージだけの大技。ブースト無しではまともに発動すらしないが、この状況なら、もしかしたら使えるかもしれない。

 十華剣式という技において、自分の力を溜めて一気に放つ大技。乱戦じゃ試す機会すら得られないが……迷っている場合じゃないだろう。

 すぐに取り掛かろうとした瞬間、インカムから声が聞こえてきた。

『…………ダンナ……逃げてくれ……こいつは……うぐっ!?』

「ホムラ? ……おい、何があった! 返事をしろ!! ホムラッ!!」

 逃げるよう言った後、急にうめき声をあげたホムラが無事だとはとても思えなかった。だが、彼女を助けるためには1分1秒が惜しかった。

 それなのに、優真は次に流れてきた声に一瞬硬直してしまった。

『……お前はどこの神の眷族だ?』

 それはホムラの声ではなかった。


 彼女のインカムから男の声が聞こえたことで、俺は自分の怒りが増していくのを感じた。

「…………おい……それは、俺がとある少女に渡したものだぞ? なんで知らない男の声が聞こえてきやがる?」

『質問しているのはこっちだ。もう一度だけ聞いてやる。次で答えなければこれの持ち主を灰にするぞ? ……お前は誰の眷族だ?』

 その強引すぎる言葉に苛立ちが増すものの、ここで怒りのままに暴言を吐けばホムラが危ない。だが、何もしなければ、危険な状況は続く。


「……俺は子どもを司る女神様の眷族だ……」

 大きく深呼吸した優真はそう答えると、鞘に刀を収めた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ