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「これは監視映像を見る機械です。国の技術者が総力をあげて作り上げたもので、同時に作り出した映像を撮す機械と共に使えばあらゆる場所を見ることが出来るのです」
カルアーデはユリスティナに対して分かりやすく説明するが、あまり機械に詳しくないユリスティナにはなにがなんだかさっぱりだった。
万里華もそこまで驚きはしなかった。万里華自身そうだと思っていたし、彼が見ている画面はあまり画質が良くない。パソコンやスマホがある世界から来た万里華にとっては、少しばかり微妙な代物だった。
教育が行われているこのチャイル皇国の技術力は世界一だと言われただけに、どう反応すればいいのか非常に困る代物だった。
だが、そんな二人とは違い、シルヴィはカルアーデの説明を聞いた瞬間、座っていた椅子を倒してしまうほどの勢いで立ち上がった。
「カルアーデ殿下! それでシェスカやファルナちゃんの位置はわかりませんか!」
「そっか! 監視カメラならシェスカちゃん達がどこにいるかわかるもんね! それを優真から貰っていたインカムで優真を道案内させるんだね! くっそ~なんでそんなことを思いつかなかった、私~~!!」
シルヴィがカルアーデに向かって頭を下げながらお願いした瞬間、万里華もその方法に思い至って頭をかきむしり始めた。しかし、カルアーデは少し離れた位置に座る二人に申し訳なさそうな顔を見せた。
「申し訳ございません。どうやらシェスカ様とファルナ様のお二方は映像を撮す機械のある場所とは離れたところにおられるご様子。残念ながら私では力になれません」
「……そう……ですか……」
露骨に落ち込むシルヴィを見て、どうにかして手掛かりの一つでも見つけないと役立たずと優真に思われるんじゃないかと危機感を覚えたカルアーデは、映像がリアルタイムで映っている画面に視線を戻した。すると、視界の端に見えた画面の一つに人影が映りこんだ。




