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16-3


 ホムラがいると聞いていた場所に向かってみると、その場所には、ホムラとバートラム博士の他に見知らぬ女性がおり、何かを相談している様子だった。

「ねぇキョウ君、昨日はあんな人いたっけ?」

「いえ、昨日は別任務で優真様がいらした時には不在でした。彼女は、我々『救世の使徒』の頭脳、アオイさんです」

 明るい茶髪を長く伸ばし、ポニーテールという髪型にしている女性と目が合った。アオイという名にふさわしい青い瞳の女性はこちらに歩み寄ってきた。

「あなたが子どもを司る女神の眷族、優真様ですね。お初にお目にかかります。私はアオイという者です。一応、ホムラの補佐として副リーダーを任されてはおりますが、なにぶん若輩者ですので至らぬ部分も多々あるとは思いますが、何卒よろしくお願いいたします」

「これはご丁寧にどうも。俺は雨宮優真って言います。一応眷族とは言っていますが、そんなにかしこまられるとやりにくいので気軽に接してください」

「そんな訳には参りません。組織を率いる者の一人として、眷族様に軽々しく接する訳にはーー」

「ダンナおはよ~、今日は何の用だ~?」

「……少々お待ちくださいませ」

 そう言ったアオイ(彼女)は、ホムラの首根っこを掴んで、近くにあった家に入っていった。


「あなたは毎度毎度この組織のリーダーである自覚があるんですか! …………あるんだったら何故眷族の方にため口をきいてるんですか! …………例えいいと言われたって普通使いませんよ! もしもそれが原因であの方がお怒りにでもなられたらどうなさるんですか!」

 扉が閉じていても聞こえるような怒声を聞きながら、数分程待っていると再び扉が開かれた。


「お待たせいたしました」と笑顔で言いながら戻ってきたアオイさんと、怯えるように震えているホムラ。

 あまりにも、先程までとは様子が違い過ぎて驚きが隠せない。

 彼女の金色の瞳が助けを求めるようにこちらを見てくる。

「昨日は本当にありがとう……ございます。……今日はどんな……どのようなご用件だ……でしょうか?」

「ああ、おはようホムラ。今日はせっかくだから手伝いにきたんだよ。まぁ、他にも用件はあるけどね……」

 明らかに無理しているであろうホムラの言葉使いに、内心苦笑しつつ、彼女にも挨拶を返した。

 

「ねぇアオイさん……別に無理させなくてもいいですよ?」

「私のことはさんを着けなくて結構です。あなたも眷族として人の上に立つ存在なのであればもう少し堂々としていてください! 私のような者にさん付けや敬語なんて必要ありません!」

「はぁ、すいません」

「謝るなんて以ての外です!」


 え~、じゃあどうすりゃいいんだよ……。


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