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14-12

 優真達は商店街を抜け、人通りが少ない道を歩いていた。

 人通りが少ないとはいっても、それは先程の商店街と比べたらの場合で、村から出たことのないシルヴィにとってはここですら、人の多さに驚くばかりだった。

 太陽はいつの間にか真上に昇っており、空腹を伝えてくる。

 嬉しそうな顔で自分の手を握りながら歩くシェスカの姿がシルヴィにはとても微笑ましかった。


 ぬいぐるみを空いた片手で大事そうに抱き抱えているシェスカ。うさぎが大好きなシェスカにとってとても嬉しい贈り物だったのだろうとそう思えた。

 だからこそ、洋服屋で彼の取った行動には驚かされた。

(あれ……店員さんに勧められた中で一番お気に入りだったんだけどなぁ……)

 彼は洋服屋で自分が試着した5着のうち、今着ている服を含めて4着買ってくれた。他にも色々と買ってくれたが、自分にはもったいないような高い値段の服ばかりだった。


 シルヴィがそんなことを考えていると、前を歩いていた優真が足を止めて振り返った。

「なぁシルヴィ……別に俺はシェスカにだけ感謝している訳じゃないんだ。今日買った服は全部、いつも俺を支えてくれるシルヴィへ感謝の気持ちとして贈ったものだから」

「や……やっぱり、私にこういうのはもったいない気がーー」

「いいからいいから! それでさ……これはお礼とかじゃなくて……その……」

 優真の右手には紙袋が握られており、それをシルヴィに手渡した。

 シルヴィは頭を傾げながらその袋を開け始めた。

「なんというか……気持ち? そう気持ちだ! これからもよろしく……ってこれだとなんか脅迫っぽいな……今までありがとうってのはなんかお別れみたいで相応しくないか? ……!?」

 そんなことをぶつぶつと呟き始めた優真はいきなりシルヴィに抱きつかれたことに驚いた。


「ありがとうございますユーマさん!」

 シルヴィの手には白いワンピースが握られており、その表情は嬉しそうな笑顔だった。

「……今日ってシルヴィの誕生日だったんだよな? ……間違ってたら少し恥ずかしいんだけどさ……」

「……知ってたんですか?」

「まぁ……一応ね……誕生日おめでとうシルヴィ……さっきは都合上言えなかったんだけどさ……このワンピースを着ていた時のシルヴィ……とても可愛かったよ」

「この服……一生大切にします……でも本当にいいんですか? ……私ばかりもらって?」

「俺があげたくてあげて、祝いたくて祝ってるだけ……シルヴィが気にする必要はないよ」

 優真とシルヴィは人目を気にせず抱き合い始めた。

 しかし、そんな二人の元に近付く影が二つあった。

 体調を崩していて少し投稿が遅れました。申し訳ないです。

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