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14-3

 目の前にいる男をばれないようにつけ狙う冒険者達は、ターゲットが曲がり角を曲がって裏路地に入ったことで、その足を速める。


 しかし、冒険者達が曲がり角を曲がると、そこに追いかけている人物は見当たらなかった。

「お……おい……あの野郎はどこ行きやがった?」

「くそっ……逃げられたか!」

「まだ遠くには行ってないはずだ! 急いで追うぞ!!」

 冒険者達は大金を持った冒険者を追いかけるため、裏路地を更に奥へと進んでいった。


 そんな冒険者達の姿を見ている影があった。その影は音も立てずに、地面に降り立つと奥の方へ行ってしまった冒険者達を蔑んだ目で見続ける。

「やっぱりああいう輩って冒険者にもいるんだな……こりゃ少しの間冒険者ギルドに近付くのも危険っぽいな」

 冒険者達が見えなくなったことで、他に自分を狙う者の気配がないかをもう一度確認し、大丈夫であることを知った優真はそんなことをぼやきながら家路についた。


 ◆ ◆ ◆


「ただいま~」

 あまり広くはない一軒家に帰り着いた俺は、玄関の扉を手動で開けるといつものようにその言葉をかけた。

 すると廊下を駆ける音が聞こえてきて、栗色の短い髪型の幼い少女が満面の笑みで顔を見せた。

「おかえり~お兄ちゃ~ん」

 そう言いながら抱きついてくるシェスカを受け入れ、抱き上げていると栗色の髪をツインテールにしたエプロン姿の少女が笑みを浮かべてやってきた。

「おかえりなさいユーマさん、今日もお仕事お疲れ様です。晩御飯の用意が出来ていますよ。それとも先にお風呂にしますか?」

「シェスカね! お腹ペコペコなんだよ~。でもお兄ちゃんが帰ってくるまで待ってたの! シェスカいい子~?」

「ああ……ありがとうシェスカ。お兄ちゃんのために我慢してくれてたなんてとても嬉しいよ。……シルヴィもいつも家事を任せてばかりでごめんな」

「ユーマさん、そういう時はありがとうと言われた方が私も嬉しいんですよ?」

「そうなの? ……いつもありがとなシルヴィ。シェスカも我慢してくれてたみたいだし、先に晩御飯を食べようか?」

「わかりました」

 そんなやり取りが行われ、俺達は食卓に移った。

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