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12-6

 自分を至近距離で見てくる少女は、桃色の髪に蒼い瞳というここいらでは見ない見た目をしていた。

 軽くウェーブした髪を胸の辺りまで伸ばした少女はその蒼い瞳で優真のことをじろじろと見ている。

 彼女の着ている服は、暑いからかタンクトップにミニスカートという森の中で暮らすには向いてなさそうな格好だった。

 さすがの優真も、いきなりじろじろと見られればたじろいでしまう。

「君は誰かなぁ? 初めて見る顔だし……女神様の信仰者でもないよね~?」

 少女が首を傾げると、甘い香りが鼻腔をくすぐった。

(なんだこの少女?)

 優真はいきなりの出来事で困惑しているのもあり、少女からの質問に答えられないでいた。


 優真がなかなか答えないからか少女が徐々に頬を膨らませていく。

「なんで無視するかなぁ? めんどくさがりでさぼり癖のあるパル君ですらちゃんと答えるのにさ~……さては君~」

 少女はいぶかしむような視線を優真に向け始める。

 なぜか少女の隣では、シェスカが少女の真似をしていぶかしむような視線を向けている。

 そして「……君~」と伸ばしていた言葉の続きを言おうと少女は口を開いた。

「パル君よりもめんどくさがりだなぁ! 間違いない!」

「間違いない!」

 なぜシェスカまで真似してそんなことを言うのかとか、パル君っていったい誰だよとか色々と聞きたいことはあったが、一番気になったのは彼女だ。


 俺は彼女の名前を聞こうとして口を開くが、そういえばまだ名前を聞かれて答えていなかったことを思いだし、まずは自己紹介することにした。

「……俺は雨宮優真です。気軽に優真でいいよ」

「ふ~ん……じゃあユウタンだ! よろしくねユウタン!」

「よ……よろしく。ところでーー」

「あれ? ハナ様じゃないですか! お久しぶりです」

 そんな声が後ろから聞こえてきて振り返ってみると先程まで何もいなかったはずなのに、そこにはシルヴィが立っていた。

「シルシルじゃ~ん! 聞いたよ~鉄んとこの信仰者に捕まったんだって~? 大丈夫だった~?」

「うん。私ももうだめかと思ったんだけどそこにいるユーマさんが助けてくれたんだ~!」

 まるで旧友との再会を楽しんでいるように見えるが、……少しだけ寂しく感じるな。なんか初めてシルヴィがため口使ってるのを聞いた気がするなぁ。


「あっ……ごめんごめん! 私も自己紹介しないとね!」

 そう言った少女は次の瞬間、驚くべきことを言ってきた。

「大地の女神が作りし楽園にようこそ! 私は大地の女神様が誇る眷族、ハナって言うの! よろしくね!」

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