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 優真はベラキファスが項垂れるように頷いたのを見て、徐々に冷静さを取り戻し今の状況を振り返ってみた。

 今の自分はどれだけ見苦しいことをしてるんだろうか?


(怒りで我を忘れてあんな暴力的なことをするなんて……しくじった……もっと頭を使えば良い方法があったかもしれないのに……さすがのシルヴィも俺のあんな姿を見れば幻滅してるよな……)

 そんなことを思いながら振り向いた優真はシルヴィの赤く染まった頬に驚きが隠せなかった。


「あ……あんなに怒っているユーマさんは初めて見ました……」

「……ごめん、見苦しい所を見せたね」

「い……いえ、私のためにあんな怒ってくださるのが……その……嬉しかった……です」

 その言葉で自分の顔まで熱を帯びてきたので、優真はこの話を終えることにした。


 優真はシルヴィを横向きに抱いて、奥で座っていたシェスカに「帰るぞ」と呼び掛ける。こっちに駆け寄ってきたシェスカを背負って、入ってきた穴から外へと出た。


 腹の傷はもうすでにそれほど痛みは感じなかった。

 頭がふらふらすることに難点はあったものの、とりあえずこの場を離脱することを先決にした。

 目的地は、昨日泊まった家とはまた別のハルマハラさんが所持している家。ハルマハラさんに悪いとは思うが、時間もないし宿を取る程の金もないため、そこにするしかなかった。


 こうして俺はシルヴィを魔の手から奪還することに成功した。


 ◆ ◆ ◆


「リーダー! こっちに下へと通じる扉があります!」

 全身を暗い緑で統一した戦闘服、顔を隠す防護マスクを被っている背の高い男は、木の怪しい扉を開けて、下に通じる階段を見つけたことでそう叫んだ。

 その声がしてから数秒後に、彼と同じく目しか見えないような格好の人間が、廊下をゆっくりと歩いてくる。

 金色の瞳を鋭く光らせる背の低い人間だった。

「……やっと見つかったか……巧妙に隠してたな」

 そう呟くと、もう一人に仲間をここに集めるよう命令して、一人で中へと入っていった。


「……なんでこんなに荒らされているんだ?」

 階段を降りていると壁のあちこちに亀裂を作った空間に入った。

 その惨状を目の当たりにしたことで、驚いて見開かれた可愛らしい瞳は、目的の人物を階段の下辺りで見つけたことにより、鋭くなっていった。

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