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「あれ? その話を聞く限りじゃ、その女神様って良い女神様じゃないの?」
俺が話した今までの話をすんなり受け入れた少女、自分で言っててなんだが、絶対信じてもらえないと思ってた。
普通信じるのだろうか?
「それで? なぜあなたは、こんなところで倒れていたんですか?」
「うん。それも話すよ。俺も確かに最初は君と同じ考えだったんだ。子ども想いで、俺のことを救ってくれた神様だ、ってね。でもここからが問題だらけだったんだ」
◆ ◆ ◆
「ここが異世界か~!」
青い空、澄んだ空気、生い茂る草木!
素晴らしきかな異世界……
「………というか木しかないじゃん。……えっと、普通は町の中とかじゃないの?」
そんなことを愚痴っていると『ピロリーン』と謎の機械音が辺りに響いた。
音のした方を見ると、自分の目線と同じくらいの位置に浮かんだ青い画面があった。
画面には、
『悪いけど、町の中だと騒ぎになる心配もあるから、人の住む村が近くにある森に転移させてもらったよ。
P.Sこれは色んな情報とか載せるものだから、これを使ってこれから頑張ってね』
と書かれていた。
「なるほど、確かに静かに暮らすうえで、目立つのはあまりよくないな。……となると、次にやるべきことといえば、モンスターと戦闘でもして、もらったスキルの確認でもするか」
『大丈夫! こんなこともあろうかと、モンスターを一匹、君のところへ送ってあるから、そいつで実験してみてね。
P.Sこの世界で死んでも生き返るなんてことないからそこのところは気を付けてね』
へ~、結構気がきくな~。……というか、なんでこんな長い文をタイムラグ無しで送れるの?
これって俺が思ったことにも反応してるし。……すごいな。さすが神と名乗るだけのことはあるな。それに結構便利そうだし。
すると、近くの茂みから、がさがさと音が聞こえてきた。
先程、女神様が言ってたモンスターだろうか?
(……そういえば、俺のスキルってどんな能力なんだろうか?)
そんな考えが、頭を過った時、目の前にある茂みから、ついにそのモンスターが姿を現した。
その姿は、3メートルを有に越える黒く毛深い体、もうなんというか、熊としか言い様のない生き物だった。
ある~日~、森の中~、熊さんに~出会った~♪




