「ハイヒールと中世と糞の話」にて思う。
2018年12月23日のツイートを元にしています。
https://twitter.com/cityborderfront/status/1076820553057558528
まあ、加筆修正は軽めに。ただ、外部サイトを参照していて、もしかするとそちらも見た方が良いのかも、なんて内容になっています。
ちょっと長めのページ(約二万字)ですが、あとがきにURLを記載しましたので、興味がある方は是非。
「ハイヒールと中世と糞の話」
インターネットの片隅に、そんな記事があります。
内容は、そうですね、中世ヨーロッパでよく言われている衛生環境についての話で、窓から汚いものを投げ捨てていたという話には補足が必要だし、道が汚いからハイヒールが出来たというのは違う。そんな感じで、通説に異を唱えている記事です。個人的には、お勧めの記事です。
――特に、「第二部:ハイヒール起源説の起源」から先は、とても興味深いことが書かれています。
「さて、ここから先は余談です。」
そんな始まり方をしていますが、とんでもない。その余談こそ、この記事の本論と言っても過言ではありません。その位、なぜ「道が汚いからハイヒールが出来た」という論が流布したのかに対する、説得力のある説明がされています。
◇
世間話のように面白おかしく話をすることで、一つの常識が出来上がってしまう。つまり、あまり中世ヨーロッパの知識を必要としていない人に向けての、「面白い世間話」としての「中世の靴事情」が、一つの雑学として広げてしまったのではないか、これはそんな話です。
世間話に罪はないでしょう。それでも、そういったものの持つ伝達力というのには驚くべきものがあり、時に良貨を駆逐するかのように広がってしまう、そんな話かなと。
個人的な見解を言わせてもらうと、中世の衛生環境に関する風聞は、近代の産業革命時に一度大げさになったのではないか、なんて思っています。少なくとも、産業革命による公害と人口集中は、衛生環境を一気に悪化させたことは間違いが無いのかな、と。
……誰だって「自分たちが街を汚くした」なんて思いたくは無いでしょうからね。「昔からこうだったんだ!」と言いたくなって、つい言っちゃったのではないか。そんな可能性も捨てきれないよね、みたいな感じでしょうか。
まあ、私も「中世の靴事情」でご飯を食べている訳ではありませんので、これも「世間話のように面白おかしく話す」事例の一つなのですが。ただ、人間というのは、一度「こうだ」と信じ込むと細かいことが気にならなくなる、そんな風にできています。
中世の衛生環境、本当にそうだったのか、一度立ち止まって考えても良いと思います。
そして、他にもきっと、立ち止まって考えてみた方が良いことは沢山あるのかなと。
――常識もね、一度は疑ってみてもいいのかな、と。
◇
最後に。現代人の感覚で、ハイヒールと糞の話に疑問を投げかけて、この文章を締めくくりたいと思います。
家畜の糞が道端に落ちてて汚い、ええ、良くわかります。この前サイクリングの時に、危うく踏みそうになりましたからね。
今だって、ペットの糞が普通に落ちているのです。昔は家畜の糞が良く落ちていた、なんら不思議はありません。
だけど一つだけ、どうしても納得ができません。
――ハイヒールだったら踏んでも良いとか、そんな問題ちゃうやろ!
本稿は、以下のページを参照して記述しています。
「ハイヒールと中世と糞の話」
http://www.wtnb-bnz.jp/blog/medieval/heels




