ラノベについて、徒然なるままに。
2018年11月24日のツイートを元にしています。
https://twitter.com/cityborderfront/status/1066324349186060288
今回も結構加筆しています。なかなかね、そのまま流用とはいかないものです(笑)
ラノベって、面白いですよね。SFがあったり、ファンタジーがあったり、ミステリがあったり。ヘビィオブジェクト(鎌池和馬)とフォーチュン・クエスト(深沢美潮)、嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん(入間人間)を同じ場所に並べる、とても面白い考え方だと思います。
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まず、広告塔となる作品があって。発売日を集中させることで、お客さんにその日を意識させる。何度も足を運んだお客さんはやがて、〇〇日に本屋に行こうとなる。行った先には、あらゆるジャンルが網羅された「ラノベ」という棚がある。
つまり、「ラノベ」という枠で書けば、どんなジャンルでも読まれやすくなる、そんな仕組みな訳です。これは、ジャンルに関係なく本を売る仕組みといっても良いと思います。
この仕組みを使うには、「ラノベ」を書かなくてはいけない。つまり、ラノベの仕組みを使って売るために、作者は筆を曲げなくてはいけないように思えます。……ですが、本当にそうでしょうか?
――そうではない、「ラノベ」という枠を守れば何でも書ける、そう考えるべきだと思います。
その位、ラノベの枠は広いのかな、と。
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先に上げた作品の一つ、「ヘヴィーオブジェクト」という作品ですが。正統王国、資本企業、情報同盟、信心組織の四大勢力に再編された世界で、それぞれの勢力が戦う、そんな物語です。この分け方自体が、一つの思想と言えないでしょうか。なにせ、階級社会、資本主義、情報社会、宗教で世界を分けたのですから。
当然、舞台の説明はそれぞれの社会の説明になります。つまり、階級社会とは何か、資本主義とは何か、そういったことが、「エンターテイメントとして」説明されるのです。
この作品は、主人公の性格やストーリーもあって、とてもラノベらしい作品です。ですが、確かに作者の価値観とメッセージが、作品の奥に息づいていると感じます。ラノベという枠を使いながらも、作者の考えを上手く説明しているなと。
もちろん、ラノベに向かないテーマだってあるでしょう。十代の少年少女には不適切なものもあるとは思います。ですが、そういったものは意外と少ないと思いますし、基礎的なことをしっかりと説明をすることにも価値はあるでしょう。
そうやって考えると、ラノベという仕組みは、むしろ小説の世界を広げている、そんな風に思うのです。そして、想いを込めた良質な作品を売れるようにする、それは著者にとっても、読者にとっても、幸せなことなのかな、と。
――売れる仕組みというのはきっと、関わる人が幸せになる仕組みなのです。だからこそ売れるし、続けることができるのかな、と。
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作家買いと呼ばれる行動があります。これもきっと「売れる仕組み」でしょう。「〇〇賞」といったのもそうだと思います。
そうやって考えると、世の中には沢山の「売れる仕組み」があるのだと思います。
そんな「売れる仕組み」に眠る「幸せ」を、少し考えてみませんか?
そこにはきっと、今まで気付かなかった「幸せ」が眠っていて、何かを気付かせてくれるかも知れませんよ。