クランの序列 謎の赤瓶
「それじゃクランの事についての説明をしようか。っあ、ちなみに僕はクランガイアで団長一応団長をているから。わからないことは僕に何でも聞いてもらって構わないからね。」
(え、この人が一番偉いのか。物腰が柔らかいからかそんな風には見えないな。)
「そうだな、何から説明しようか。・・・まずは序列の話からしようか。」
「序列?」
「ガイアには強さによる指標、序列が存在する。上から順に1級2級3級といって一番下が10級になっているんだ。あ、勘違いしないでほしいけどこの序列はあくまで迷宮を潜る仲間の強さのバランスを整えるためにつけているだけで。決して下の者が虐げられるようなことはないから安心してほしい。といっても中には下の階級のものを見下す人もいるんだけどそういう子はすぐに制裁が入るから安心してね。」
(制裁って・・・恐ろしいクランだ。)
「そしてどうやって序列を図るのかなんだけど。4か月に一回ぐらいのペースで序列審査会があるんだけど。そこではランダムでそれぞれの階級の人たちで1対1で決闘をしてもらうんだ。そこでその試合の結果と1級の人がその試合を見ているはずだからその意見を総合的に判断して序列昇格が決まることになっている。
ちなみに僕は1級だから。もしかしたら幸君の戦いは僕が審査するかもしれないね。」
「なるほど、あれ、1級の人たちは試合を見てると試合できなくないですか?」
「あはは、いや1級の人たちの場合はまず審査してくれる人がいないし、被害が大きくなってしまうからダンジョン以外だと本気で戦えないからね。あまり意味がないんだ。」
(なるほど、1級はマジ者の化け物っていうことか)
「序列審査会はクランの施設にあるコロシアムで行うんだけど。観客席がついてるから人の出入りが自由なんだ。だからいつもお祭りのように盛り上がるよ。しかもうちのクランは所属人数は他のクランの中では一番多いからね。1週間ぐらいお祭り騒ぎだよ。」
「へぇー、おもしろそうですね。クランて何人ぐらい所属しているんですか」
「そうだねあんまり正確には僕も覚えてないんだけど確か5000人ぐらいはいたと思うよ」
「5000人!それはかなり多いですね。」
「まぁ、人数は一番多くても多分総合的な強さで言ったらうちは2,3番目ってところなんだけどね。」
「これだけ人数が多いのに総合で負けるんですか?」
「いやぁお恥ずかしい限りだよ。一つ圧倒的強さのクランがあってね。名前は聖天っていってなんとそのクランのメンバーは20人っていうね。もう参っちゃうよね~。」
「っえ、20人ですか。本当に強い人ばかりのクランなんですね。」
「その通り、一人一人がうちの1級の人たちと同格がそれ以上なんだ。っと話がずれちゃったね。話を戻そうか。君にはまず10級から始めてもらうことになる。僕が誘ってる側で君の強さも10級のそれではないんだけどそれじゃほかの人に示しがつかなくてね。悪いけど一番下から始めてもらうことになるよ。」
「はい、むしろそのほうがおもしろそうですよ。」
「そういってくれると助かるよ。」
「じゃあ、後は明日クランの施設を案内しながら説明したいと思うんだけど予定は大丈夫かな?」
「えぇ大丈夫ですよ。」
「そうかそれじゃ僕はこの後用事があるので失礼するよ。」
「はい、傷の事ありがとうございます。」
「ふふっ、ああ」
リエルもとい団長は医療室を出て行った。
「さて俺もそろそろ帰ろうかな。あ、そのまえにキメラの戦いでドロップしたもの売っちゃおうかな。」
そうして俺も医療室を出たところ即座に受付嬢が駆けつけてきた。
「早崎様!お怪我のほうは大丈夫ですか?」
「ええ、もうしっかり回復しました。」
「ていうか、早崎様リエル様とお知り合いだったんですね。羨ましいです、あのお方と知り合いというだけで拍が付きますから。」
「そんなにすごい人なんですか?一番多いクランの一番偉い人っていう根は知っていますけど。」
「それもすなんですが、なんといっても規格外なのは強さなんですよ。ほかのクランにもおそらくもっとも最強の人物であるといわれている方々がいますが、リエル様はその中でも最も最強に近いと言われています。」
(へぇ~、あの人そんなに強かったのかよ。さっきは謙虚なこと言ってたけど。)
「あ、そうだ。それよりアイテム売りたいんですけどいいですか?」
「え、それよりって。あ、はいアイテムの売却ですね。お預かりします。」
幸は受付嬢にキメラのアイテムを渡す。が受付嬢の顔フリーズしていた。
「は、早崎様・・・これをどこで・・・。」
「どこって、ダンジョンの中っすよ。」
「もし、私の見間違いでなければこれはキメラからとれる素材なんですが」
「えぇ、それであってますよ?」
「は、はは・・・どうりでリエル様とも知り合いなわけですよ。早崎様実はお強いんですね」
(リエルとはさっき知り合ったばかりだけど、ややこしくなりそうだしいいや)
「あ、ちなみにこのキメラダンジョンの一階層に出ていたやつなので掲示板にあるクエストの紙はがしていいと思いますよ。」
「そうだったんすか!それはとてもありがとうございます。早崎様が倒したキメラにはギルドも困っていたところなんです。そうなりますと、キメラ討伐の報酬も同時に出ますのでうはうはですよ!」
(うはうはて・・・)
「あれ、この赤い液体の瓶はなんですか?キメラの血液でしょうか?」
「いやどうなんでしょう。キメラ討伐の際にドロップしたものですけど。」
「そうなんですか。あれ?キメラはこんなものドロップしないはずなんですけど。早崎様申し訳ないのですがこちらの金額はまだ定まらないのでしばらく時間をいただけますでしょうか?」
「あぁ、はいそれは全然かまわないですよ。」
「それではこちらが金額になります。」
もらった金額は500万ほどになっていた。お金をもらった俺はすぐに家に帰ってベッドにダイブした。
(明日はクランの案内があるし早めに寝とくか)
そうして俺は眠りについてふとあることに気づく。
「あ、あの赤瓶魔眼で見ればわかったんじゃ・・・」