第三話 ダンジョン
迷宮へと行く前に少し迷宮のことについて説明しよう。迷宮には階層があり、改装が上へと進んでいくうちにモンスターは強くなっているという。
現在冒険者が進んでいる最大階層は150階層は言っているそうだ。100階層を超えている限り階層の終わりは全然見えないんだなと想像できる。
さて俺が入る迷宮は一階層である。もちろんこの一階層にも魔物はもちろん出る。しかし一階層なだけあって、かなり弱い。そして種類も一種類しかいない。
その魔物の名は、ホーンラビット。特徴としてはあたまに角が生えている。しかし身体能力はそれほど高くないので突進して角で攻撃してくるが、決して貫かれるような攻撃ではないので冷静に対処すれば問題ない。
ここでホーンラビットの平均的なステータスをギルドで開示していたので教えておこう。
個体名:ホーンラビット
レベル:1
HP:12
MP:5
攻撃力:2
防御力:3
素早さ:14
あくまでホーンラビットがレベル1の状態である。一階層にはレベルが1ではない個体ももちろんたくさんおり、またレベルが1でももともと少し強い個体や弱い個体もいるためあくまで参考程度にするのが良い。
ちなみだが俺のステータスはこうなっている。
名前:早崎 幸
レベル:1
性別:男
HP:120
MP:80
攻撃力:30+60
防御力:30+80
素早さ:30-10
スキル:逆境、算術、剣術の才
攻撃力、防御力、素早さはオール30という何とも言えない感じだ。数値の横に書いてある+-の数値は装備によるステータスの変動である。
そして次にスキルだが、説明書きがカードに書かれている。
逆境:不運でおもうようにならない境遇に見舞われることが一定期間で起こる。そしてそれを乗り越えた場合大きな糧になる。
算術:四則演算をマスターせし者
剣術の才:剣術の上達が早くなる。
最悪のスキルが俺にはついてしまっているようだ。逆境・・・こわすぎだろぉ~。
一定期間で不幸が起こるとか恐怖でしかねぇ。超えたら糧になるらしいけどこのスキルがある限り、永遠に不幸が訪れる確定ってことになる。何とも気の休まらない日々を送ることになる。
他二つはいいのに、特に剣術の才とかは剣にあこがれを持つ俺にとっては最高のスキルである。
そうこうしているうちに迷宮についた。
迷宮の入り口は巨大な門のような形になっていた。しかし扉があるわけではなく門さえなければ巨大な穴が塔にあいているような見た目になっている。
ここで捕捉だが、魔物は塔の中からは決して出てくることはない。理由は解明されていないが、すべての魔物が共通していることらしくまぁここはあまり気にしなくてもいいだろう。
さっそく入ろうとおもう。
中は巨大な洞窟のようだった大きなあけっぴろの場所がさいしょにあった、そしてそこからいろいろな道が何十本も伸びている。きっとこの何本もある道をさぐりさぐりにすすんで上へと続く階段を探して上へといくのだろう。
だがしかし!!俺の目的はキコロ草である。そしてキコロ草は入った瞬間からもう見える範囲にたくさん生えているため俺は奥に進む必要はない。
のであるがせっかく入ったわけなので少し俺は奥へと進もうと思う。魔物とも戦ってみたいしな。
適当に選んだ道を少し進んでいった。すると扉が現れた。
俺は少し怖くなったが、一階層にはホーンラビットしかいないことを思い出し入ることにした。
扉の中は何にもなかった。
いや何にもなかったわけではない、宝箱が一つだけぽつんと置いてあった。
迷宮に存在する宝箱は様々なお宝が入っており、その中は決まって高価なものであることが多いのである。それを知っていた俺は迷わず宝箱を開けるのであった。
中にあったのは、いかにも高そうな剣であった。
「これはもしかして、かなりの当たりなもの見つけたんじゃ「ポタっ・・・ポタっ」」
俺が喋っているときに何か液体が落ちる音がした。
俺は嫌な予感がしながらもその音のなるほうへ振り向いた。
そこにいたのは、
「きっ、キメラっ!!」