第一話 物語の始まり
俺の名前は早崎 幸今年四月に大学生活が始まる18歳だ。高校生のころからあこがれていた大学生活に胸をときめかせながら、俺はきたる明日の入学式に向けて早めにベッドにていつものように就寝の準備を始めていた。といっても22時後半ではあるが、しかしいつもと変わらないいつものようにはずの光景に違和感が生じていた。
その違和感の正体にはとっくに気付いている。一体何かというと外がカーテン越しでだがなぜか外が明るいのだ。俺は急いでカーテンを開けて窓の外を確かめた。本来であればお隣さんの家が見えるだけのありふれた光景は、いつもとは違った。
(なんじゃこりゃ)
その感想しか出てこなかった。なぜなら窓から見える景色には街が、いやそんな言葉では表せないほどの大都市が存在していた。そして中央に見える雲を突き抜け、太陽にすら届いていると思わせられるほどの巨大な塔が存在していた。
「夢か、いやけど妙に現実感がある、おそらくこれは現実で俺は部屋ごと異世界に転移した。みたいなマンガやアニメのような展開ととらえるしかないよな。」
俺は外に出てみた。とりあえず情報が少なすぎるので外に出て迷子にならない程度に、大都市を探検しいろいろと聞き込みをしていった。
今俺がいるこの大都市の名前はアルカディアとよばれる大迷宮都市と言われている。名前から察することができるように、この大都市には迷宮があるらしい。その迷宮とは俺の部屋から見える天高くそびえたつ巨大な塔のことである。この迷宮にはたくさんのモンスターが生息するといわれている。がしかしそれと同じぐらいいろいろなものがあるらしい。まぁ、いろいろあるといわれてもアバウトすぎると思われるかもしれないが、事実なんでもあるらしいのだ。食料に宝石、武器や衣服、それに魔法のアイテムや家なんかもあるといわれている。
そしてその迷宮に入りいろいろなものををゲットし生計を立てる冒険者がいる。その冒険者が流す産物でこの大都市の経済が回っているといわれている。
さて次にこの世界のことだが、いわゆる異世界、漫画やアニメの世界とほぼ一緒である。モンスターがおり、魔法が使え、様々な種族がいる。そんな世界である。じつはさきほど行っていた聞き込みでもじつは頭に猫の耳をはやしたお姉さんにも聞き込みさせてもらった。
さて、こうして異世界に飛ばされてしまったわけなので俺はこの世界で生活していくしかなくなったわけだが、身一つと自分の部屋(普通に街の中に溶け込むように家になってる)で放り出されたわけで絶望的かと思われるがそんなことは全くないらしい。なぜなら俺ぐらいの年齢のものは決まって迷宮でお金を稼いで生計を立てられるそうだ。つまりは冒険者になって迷宮に潜りお金を稼ぐことで、どんなものでも生活していくことはできるらしい。たとえるならば日雇いのバイト感覚である。そして運が良ければ一発で億万長者になれる可能性の秘められしてた宝くじ付きである。
ということなので、俺はさっそく冒険者になるべく冒険者ギルドに赴こうと思う。