Y5 4人の勇者の初陣
騎士の人は開けた凄くイラついた表情で扉を閉じた。しょうがないわよね、この人簡単に開けてるように見えるけどこの扉、厚さが軽く10cmあるし、どう見ても金属製なのよね・・・。それに事前に確認取っていたのにいきなり止める輩がいるのだから・・・。さて、止めたのは私や世那ちゃん、鈴木君や吉田君でもない。止めたのは・・・一応私が知っている人間
「なにかようかしら?水川雄太?」
「俺を仲間に入れろ」
「やだ。さあ、これは置いといてさっさと行きましょ?」
「ぶっふぁ」←吉田
「速攻で振られていて草」←鈴木
「・・・・・行こ?」←世那
「・・・・・要件がそれだけなら我々はもう行きます。ほかのチームに行ってください」←騎士
「あ、ちょ」←水
その後騎士の人が再び扉を開け、私たち4人が入ると同時に閉めた。けどすぐに扉が音がした。うん知ってたわよ。あれは変態的しつこさの持ち主だから、意地でもついてくるのは。というかなんで私たちについてくるのよ、他のチームにいけばいいじゃない。
”ロイヤルパレスラビリン”は暗いから明かりを付けたほうがいいのでは?と思ったけど、騎士曰く、「ここで明かりをつければ襲ってくださいと言っているようなものです。それにその方が<気配察知>とか<夜目>のスキルを鍛えやすいです」と言われた。前者は確かチョウチンアンコウも明かりで魚を誘き寄せ食べるっていうからあり得る話で、後者はここにいるだけでも訓練になるからってことね。皆も理解したみたいで段ボールに火をつけようとしていた鈴木君もやめてくれた。さて、話は変わるけどここの造りは、広く長い道があって、道の端には所どころ枝分かれしている道があり、また入り口に近ければ枝分かれの道は少なく、遠くなればなるほど道が増えるらしい。そしてこの道が何処に続いているかは誰も分からないみたい。というのも確認しようにも終点に着く前に食料が尽きたから引き返ざるをえなく、結果終点に何があるかは分からないということになったらしい。
「皆さま、敵が5来ます。戦闘準備を」
色々話していると沢山の赤いのがズドドドドドドドと音を立てながらやってきた。音の正体は体長1m越えの2匹の蜘蛛の足音。赤いのは蜘蛛の目だった。まず最初の印象、怖い。自分の体の半分ほどのサイズの蜘蛛が音を立てながら走ってくるのだから。でも今はそんなこと言っている場合じゃない!
「鈴木君達、前行って!世那ちゃん魔法準備!火はダメよ!吉田君はいつでも動けるようにして!」
私も槍構えて準備する。さあ、こい!
初戦闘は1分掛からず終わった。まず、騎士と鈴木君が前に行き敵を一匹ずつひきつけ、その間に私と吉田君で足を切り落とし、最後は片方は世那ちゃんが<氷魔法:アブソリュート・ゼロ>とかいう魔法で凍らせ、もう片方は4人で滅多刺しにしたら死んでた。んで今は道の端に移動し、私たち4人はリザルトチェック中。騎士の人が見張っていくれるからゆっくり確認できる。<ステータス>表示。
名前 :雪音・氷川
レベル :4/2000
HP :30000
MP :30000
Str :3000 →
Agi :3000 →
Vit :3000 →
Int :3000 →
Dex :3000 →
Luk :3000 →
スキルポイント:3
ステータスポイント:30 (New)
スキル
<ユニークスキル:氷創造 Lv1>
<ユニークスキル:異世界言語自動通訳 Lv5>
<ユニークスキル:光魔法適正 Lv10>
<ユニークスキル:氷魔法適正 Lv10>
<スキル:剣術 Lv8>
<スキル:槍術 Lv8>
魔法
<光魔法:光の矢:ライト・アロー>
<光魔法:光の盾:ライト・シールド>
<光魔法:聖域:サンクチュアリ>
<回復魔法:解毒>
<回復魔法:ヒール>
<恢復魔法:キュアー>
<恢復魔法:ハイ・ヒール>
<恢復魔法:インテルミッデン・ヒール>
称号
【勇者】
変わったのはレベルが3上がり、<ステータスポイント>という項目が増えたわね・・・。普通に考えればこのやじるしを押してあげればいいけど・・・今は放置しましょう。他は変わったところは・・・・ないわね。でもたった一度の戦いでレベルが3つも上がるなんて・・・意外と楽にレベル上げができるかも?さっきの戦いもそんなに苦戦しなかったしね。
「皆さん、準備してください!大群が来ます!」
色々考えていると騎士がいきなり警告する。え?っと思いながら前を見ると、ズドドドドドドドドドドドドドド・・・・と、大量の赤いのが・・・軽く100は超える量が・・・見えるんですけど・・・・
「どうする?」
「鈴木君、この量やれると思う?」
「無理ですね。逃げましょう。もう少し前に枝道ありますし」
「なあ、もう間に合わないと思うんだけど・・・」
吉田君の呟きが気になって前を見ると・・・・もう、接触まで10秒切ったかもしれないというほどの距離になっていた。こうなったら・・・戦うしか・・・だってまだ死にたくないもの・・・・
「・・・・えい」
戦う覚悟を決めていると世那ちゃんがみんなを道辺に押し倒した。何するの!?と聞こうとしたら、ハンドサインで「静かに、何もするな」と言われた。この娘、いきなり謎の行動をする時があるけど、それは何も考えていないのではなく、最適な行動をしただけなのよね・・・。そして鈴木君も吉田君も騎士も大人しく従ってくれた。というより、もう何もできないのよね・・・。今目の前を大量の蜘蛛が通っているから。うんこれ100はいるよね!?しかも足だけでも2m3m超えのも混じっているよね!?そしてなんで私たちを襲わないのかしら・・・?
答えは世那ちゃんが教えてくれた。指差しで。差したのは・・・・後ろに水川だった。そして、納得した。だってあいつ、明かりをつけてるもの。そりゃあ大量の敵が来るわけね。30秒ほどで行列は収まった。代わりに水川が全て相手にしているけど。世那ちゃんはそっと立ち、この行列の後ろから少し離れた場所に行き、ハンドサインで「撃て」と言った。待ってこの娘水川を釣り餌にして自分たちは後ろから利益を得ようって言ったわよ!?そしてみんな殺る気満々ね!?いいじゃない、やってやるわよ!
まず一番後ろにいた3mほどの蜘蛛の足を吉田君が、腹を私が切りつける。そしたら全力で離れたところにいる鈴木君の元まで走る。ひいぃ!今足が!私の真横を!抉った!これジェットコースター並みに怖いわよ!
「劉人!」
「鈴木君!」
「「任せた!」」
「ちょまデカいこれデカい!」
鈴木君と騎士に擦り付け、私たちはバックステップで蜘蛛の後ろに行く。吉田君はさらに後ろに。そして息を整えると再び全力ダッシュ。ただし向かう先は私。私も槍を吉田君に向けて長く持つ。
「雪音さん!3!2!1!」
「いくわよ!」
吉田君が槍に乗る少し前・・・つまり1と言った時点で振り上げる。そして吉田君もジャンプからの再びジャンプ、蜘蛛の上に乗り腹に短剣を突き刺した!一方前衛組は6本の足を盾と剣で一生懸命命がけで捌いていた。手伝った方が・・・
「死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬぅ!!」
「っく!これはそこそこ育った二個小隊で相手にするものですよ!」
「ああ!段ボール製の盾が!やっぱり壊れた!」
・・・・手伝いましょう。このままだと鈴木君、死にそうだもの。
まず鈴木君に向けて振り下ろされている足2本を槍を回して防ぐ。すると足はバキバキっと音を立てながら折れていった。これは<氷川流槍術:防の型:防矢槍>という技。もともとは戦の時に敵軍による矢の雨から身を守る技。ただ回せばいいというものではなく、速すぎると腕が疲れるだけだし、遅いと意味がない、間隔がバラバラでも意味がないという技。しかも現代日本だと使う機会はないに等しい。けれどまさか、今役に立つだなんて・・・人生なにがあるか分からないものなのね・・・。
「よし、背中切った!」
「分かった。<ウォーター・プレス>」
そうこうしているうちに吉田君が仕事を終えて飛び降りた。吉田君の仕事は背中に十字を入れること。理由は世那ちゃんが水圧で押しつぶしやすいようにするため。当の世那ちゃんは助走をつけて鈴木君の背中を足場にジャンプして蜘蛛の上に行くと<ウォーター・プレス>という魔法を使った。上はどうなっているか分からないけど、下から見ると腹の部分が内側から押されて、爆ぜた。うんこれえぐいわね。
「「「「・・・・・・・」」」」
「・・・・次は最初みたいに凍らせよう」
「「「「賛成」」」」
作戦を提案した本人も蜘蛛が内蔵をまき散らしながら破裂する様子をみるのは嫌みたいね・・・
水川君登場&退場!
鈴木君と吉田君は話し方に特徴がないために矢印で補助しました。「ヤメロォ!」という方がいるのであれば多分やめます。
<氷川流槍術:防の型:防矢槍>・・・元々は降ってくる矢の雨から槍を回すことで身を守るための技。理論上は可能だけど、鏃に柄を当てなければならないため集中力とか体力とか訓練が必要。さらに終わったら終わったで肩と腕がめっさ痛くなる。よく分からないなって人は2m近い鉄パイプをクルクル回してみよう!
というか足だけで3mもある蜘蛛って怖くないですか・・・・?




