1 そして彼は異世界へ
ー学校に通い、授業を受け、家に帰る。この当たり前のサイクルをし続けている学生の中に彼もいる。彼の名前は氷川隼人、外見も運動神経も成績もどれをとっても極一部を除いて平凡であったー
オレは帰り道にオレのすぐそばを歩く女子生徒がいつもの分かれ道に行かず、そのままオレの後ろをついてくることを疑問を抱いている。彼女の家はさっき言った分かれ道を通らないと帰れないはず。しかもこの道には一本道で、この先にはお店などはない。まあオレには関係ない話か···。そしてオレは家の前に着いた。家に入ろうとしたとき、
「あ、あの!」
いきなり声を掛けられた。よく見たら美人に入る人じゃないか?
「なんだ?何か用があるのか?」
そしてその時、ふと左を向いた。ただなんとなくだ。なんとなくのはずだが何かを感じた。だがパット見なにも見つからない。まあいいか、と目の前の女子生徒に目を向けた。そして違和感に気付いた。
「「え?」」
空を見ると満天の青空だった。さっきまで真っ暗だったのに、今は真っ昼間の空だった。そして周りには何もない。正確に言えば前に道、後ろにも道、どちらも一本道だ。そして横には先ほど話しかけてきた女子生徒の人以外見渡す限り草や木しかない。そして人の気配がほとんど
ない。日本ではいきなりこんなことは起きない。いや、起きてはならないのだ。認めたくないが認めるしかないだろう・・・。たぶんここは、ラノベとかでよくある、異世界なのだろう・・・。オレは夕方なのに白昼夢でも見ているのか・・・?