Y2 隼人がいない
今回は隼人姉視点で書きました。
とっさに世那ちゃんを抱き寄せ目を閉じたけど物凄く明るかった。たとえるならば瞼にゼロ距離ライトを当てられたかのような感じだったわ。けどその明かりがだんだん無くなってきて、最後は消えていった。とりあえず状況確認のために目を開けて世那ちゃんをそっと離す。目を開けると見たことない人たち、見たことない天井、そして床には円の中に六芒星が描かれている図形があった。知らない人たちは大きく分けると4タイプ、私たちみたいな学生服やスーツ姿の人、まあ中にはシャツや袴姿の人も混ざっているけど。次に鎧を着ている人たち、俗に言う<フルプレートアーマー>ね。そして杖を掲げたローブ姿の人たち、魔術師みたいな恰好をした怪しい人たち。そして・・・なんか謎の偉そうなオーラを出しているおっs・・ゲフンゲフン、王様みたいな男性とその隣にいるお姫様っポイ女の子。とりあえず状況確認をしようとしたとき・・・・
「ついに勇者様の召喚に成功したか!」
「「「「・・・は?」」」」
王様みたいなおっさんがいきなり意味不明なことを言ったので私を含め何人かが思わず「は?」と言ってしまった。
・・・いや待て待て待て!このおっさんさりげなく重大なこと言ってる!「ついに」ということは私たちは何回目かの挑戦で成功したということ、「勇者様の成功」ということは今異世界召喚系ラノベと似たような展開になっているということ・・・・・・・ふざけるな!
だがこの偉そうなおっさんは私の心の中だなんて関係なしに話してくる。まあ他人の心の中なんて覗けるわけないわよね・・・
「いきなりのことで申し訳ない、頼むから我の話を聞いてくれないか?」
「まあ話だけなら・・・」
誰かが勝手に答えた。だけど私は不快に感じた。別に勝手に答えた人にじゃない、このおっさん全然申し訳ないとか思っていない。そして何よりこの状況に私を含めて周りの人たちは混乱していない。いきなり場所が変わったというのにだ。
「我の名は41代目人王、オメテオトル41世である。今の状況を一言で表すと我々はは其方達をこの世界に召喚させてもらった。理由は太古から続く人魔戦争を止めて貰いたいからだ。恥ずかしいことに我々ではあの邪悪な魔族たちに勝てないのだ・・・。そこで異世界から強力な力を持つ者達を呼び寄せたのだ。」
・・・・・・・なんなのかしら?このラノベ感は・・・・・・・なんか怒りを通り越した先に着いた気分がするわ・・・・・・・
だけどこれだけは言わないといけないことがある
「私たちが帰る方法はあるのかしら?」
「我々は文献を元に作成した魔方陣を使い勇者召喚の儀式を行った。この儀式は一方的に呼び寄せるもののであり・・・」
「で、結論は?」
「・・・・・・・我々では其方たちを元の世界に帰す方法がない。だが文献では魔王が帰還を知っていると書かれていた」
このおっs・・コホン、オメテオトル41世が魔王が帰還法を知っているらしいと答えた瞬間、別の生徒が
「じゃあその魔王を倒したら帰れるのですね!」
っていう馬鹿な発言をした人がいた。あまりにも馬鹿な発言すぎて思わず
「・・・バカ」 「バカだ」 「バカだね」 「バカだろw」 「アホだろw」 「倒しちゃ意味ないだろ、聞き出せよw」 「倒したら帰れると折っているとかゲーム脳かよw」
・・・バカだと思ったのは私だけではなかったみたいね。やっぱりRPGみたいだからそんなこと言えるのかしら?
というかなんで魔王が帰還方法が知っているのよということを知っているのよ、どう考えても変でしょ
「おいふざけるなよ!真面目に答えろよ!」
「まだ仕事が終わっていないのよ!早く帰して!」
「マジか・・・妻や子どもがいるのに今すぐ帰れないとか・・・」
「考え方を変えれば魔王から帰還方法を聞き出せばいいだけの話ですよ」
「その文献が正しければの話ですがね」
「そもそも魔王って何ですか?」
教師たちがようやく復帰したみたい。やっぱり混乱するわよね・・・って今度は生徒たちが割れ始めた
・・・
「どう考えてもこれは夢だろ!」
「何言ってんだ!さっきまで教室にいたろだ!なんでこんなところにいるんだ!」
「だからこの王様が言っていただろ!召喚したんだって!」
「ふざっけんっな!そんなバカな話があってたまるか!」
「現実を見ろ!」
「お前こそ!」
そんなことを言い合っている生徒が多い。怒鳴る人、黙る人、絶望する人・・・まだ本題を聞いていないのに騒がしい・・・ちょっと黙って欲しい、そうさけぼうとしたときみ私より少し前にいる男子生徒が声を上げた
「黙れ!そしてさっさと本題に入れ!なぜ俺たちをこんなところに連れてきたか!俺たちになにをやらせたいか!それを言え!喧嘩や相談はそれからだ!」
その男子生徒は私が言いたかったことを全て言ってくれた。そう、今は嘆いたり文句を言うときじゃない。まずは状況把握とありったけの情報が大切。
「そ、そうだったな。我々が其方たちを呼んだのは先ほども言った通り太古から続く人魔戦争を止めて貰いたいのだ」
「ほんとにそれだけか?具体的には何をすればいいんだ?」
「魔王と魔族を一つ残らず殲滅してほしいのだ。我々の願いはそれだけだ。それともう一つ伝え忘れていた、皆<ステータス>と唱えてみよ」
王様がそういうとほとんどの人が<ステータス>と唱えていた。え?私?声を出さずに唱えましたよ。なんか変なのが頭の中に出てきたけど
名前 :雪音・氷川
レベル :1/2000
HP :30000
MP :30000
Str :3000
Agi :3000
Vit :3000
Int :3000
Dex :3000
Luk :3000
スキルポイント:0
スキル
<ユニークスキル:氷創造 Lv1>
<ユニークスキル:異世界言語自動通訳 Lv5>
<ユニークスキル:光魔法適正 Lv10>
<ユニークスキル:氷魔法適正 Lv10>
<スキル:剣術 Lv8>
<スキル:槍術 Lv8>
魔法
<光魔法:光の矢>
<光魔法:光の盾>
<光魔法:聖域>
<回復魔法:解毒>
<回復魔法:ヒール>
<恢復魔法:キュアー>
<恢復魔法:ハイ・ヒール>
<恢復魔法:インテルミッデン・ヒール>
称号
【勇者】
・・・ナニコレ、ゲームかしら?
というか<ユニークスキル:氷魔法適正 Lv10>とか書いてあるのに氷魔法なんて無いし回復系の魔法の方が多いじゃん。あれ、<回復魔法>と<恢復魔法>って何が違うのかしら?ってさりげなく称号に【勇者】なんて書いてあるんですけど・・・
隣にいる世那ちゃんにどうだったか聞こうとしたとき、世那ちゃんが暗くなっていることに気づいた。もちろん物理的にではない。
「どうしたの、世那ちゃん?」
「隼人が・・・隼人がいない・・・」
「え?」
私は言われて気づいた。隼人のことを探してなかった。慌てて周囲を確認する。いない、愛する弟の隼人がいない。
その後王様が何か大事なことを言っていた気がするが私には全く入らなかった。話が終わった後は二人一部屋ずつ部屋を与えられた。私は与えられた部屋に入り鍵を閉め、そのままベットにダイブ。私の頭の中は隼人についてですべて埋まっていた。なぜ隼人がいないのか、答えが分かっていても認めたくなかった。
そんなこと考えているうちに私はいつの間にか寝てしまった。こうして異世界での一日目が終了した。
次回は隼人チーム編です




