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音が降る

作者:なのっぺ
小さな村に生まれおちた少女エルナ。7歳にして、母と生き別れなければならなかった。

ここは森の手前にある小さな村、トール村。医術が発達しておらず、幼くして病に連れていかれる者が多かった。そのため、子どもが無事成長したことを祝い、7歳になった夜は村人全員で宴を開く。
もちろん、エルナの7歳の誕生日にもこの宴は開かれた。しかしエルナはこの宴で、祭壇に祀られている森の女神の像の足元に、白銀に輝く狼をみつける。
「ねぇねぇ、あそこに綺麗な狼がいるよ」
村人全員の表情がこわばり、母ジュンノは言葉を失った。
エルナが森の女神に魅入られてしまった。
明日にでも、森に還す儀式がおこなわれるであろう。そうしなければ、作物が実らず水もよどむ。家畜たちや人の間に病は流行る。
そう、エルナは人柱になるのだ。

小さな少女が、逃がされた森で何を願うのか。
プロローグ
2016/04/28 08:55
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