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桜妖舞ー愛が紡ぐ奇跡の光ー  作者: 如月紅都
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序章 新選組との出会い

「式神、召喚」

夜。木の幹に手をついて、言葉を紡いだ。

すると、目の前に背から鮮やかな紅の翼を持つ、幼い子供が現れた。

決定的に人間と違うのは、髪と瞳。翼より薄い紅の色をしている。

『こんな時間に、どうかしたのか?私をこのような時間に呼ぶなど、何かあったか』

少女、否、四神朱雀が問いかけてくる。

彼女は南の方角を司る四神、朱雀でありながら、私の使役する式神。

「別に、何もないの。ただ、会いたくなったの」

『また悲しくなったのか?』

「違うの、本当に」

私はまた朱雀に気をつかわせたかと思い、頭を数回振った。

その刹那。

キィィィィン!

金属と金属がぶつかり合うような音が聞こえた。

その音に私がすくんで耳を押さえながら蹲ると、朱雀が私の前に立った。

「どういうこと?」

私の問いかけに、朱雀は菅発いれずに答える。

『解らない。ただ、人が争っている』

朱雀の言葉に、私は驚いた。

なんせここは、人里から離れた山の奥。ここに人なんて、滅多に訪れることはない。

私は立ち上がり、

「見に、行きましょう。今状況がどうなっているのか、知りたい」

朱雀に言うと、彼女は頷いた。

数分歩くと、より一層大きな、金属と金属がぶつかり合うような音が聞こえた。

ような、ではなく、本当にそうだった。

音の正体は、刀と刀がぶつかり合う音だったのだ。しかも、火花まで散っている。

「あれは………新選組の紋章」

新選組。

この京の町を守ってくれている。

特に、私のような平民の町を、いつも見回りにきてくれている。私たちにとって、とても嬉しい存在。

「どうし………っ!?」

どうして。

そう言うはずだった。

それが言えなかったのは、長州藩の妖部隊がいたから。

新選組と戦っているのは、私の両親を殺した、長州藩の妖部隊。

両親の仇。

私が、一番憎んでいる人達。

「くっ!!」

目の前で繰り広げられていた、新選組と妖部隊の戦いで、新選組の人が傷ついた。

その瞬間、私は走り出していた。

そして、叫ぶ。

「朱雀、火炎を!」

新選組を、助けるために。

私の言葉に応えて、朱雀は炎の球体を生み出した。

「新選組ではない方に、それを当てなさい!」

『承知した』

朱雀の言葉が言い終わらないうちに火球が飛び、

「ぐぁぁぁっ!」

長州藩の妖部隊が絶叫をあげる。

そして、長州藩の妖部隊と新選組の間に割ってはいる。

「お前は…………!?」

「新選組の切り札か!?」

今更ながらに気づいたけれど、空いては二人いる。

「私は何でもありません。ただ、通りすがっただけですから」

そういいながら、私は右手で空中に五芒星を描き、

「朱雀よ。本来の姿、取り戻せーーーーー鳳凰!」

刹那、朱雀の姿が変わる。

紅の炎の翼を持ち、瞳は真紅で透き通っている。

これが、鳳凰としての朱雀の、本来あるべき姿。

「貴方方は、死にたいですか?」

「何をっ!?」

「死にたくないのであれば、今すぐ隊を引きなさい」

「お前、女がでしゃばりやがって!!」

「なら、殺しますーーーーー朱雀」

キュアァァァァァッ!!

一声鳴き、朱雀は妖部隊の二人へと突っ込んで行く。

そして、体当たり。

「ぐぁぁっ!」

「ぐぅぅっ!」

体当たりをかました朱雀は、平然として私の傍へと火の粉を散らしながら舞い降りる。

妖部隊の二人は飛ばされ、地面を転がり、一番近かった木の幹にぶつかった。

「く、そぅ!!覚えてろよ!!」

そう言い残し、二人の妖部隊は退散して行った。

「お前、誰だ」

背後から声が聞こえ、私は振り返った。朱雀のおかげで、辺りは明るく暖かい。

そして、相手の顔も見れる。

「私は、通りすがっただけですから、これで」

山を降りようと思えば、

「待て!」

止められてしまった。

さっき、あの二人と戦っていた、綺麗な顔をした男性に。

「何か、おありですか?」

「その式神、お前のか?」

「え、あ、はい。私が使役しています」

「なら、お前新選組に入らないか?」

「…………………………はい?」

今の言葉が、嘘だと言って欲しい。

けれど、私はその話をーーーーーーーーーー受けてしまう。

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