どう思って。
「細谷先生」
若菜の声で、私は先生が私たちの目の前にいることに気づいた。
「はい? なんでしょう」
怖いくらいの微笑みで訪ねてくる先生。
さっきあの子と話していて、なんかあったのだろうかと思う。
「明日の国語は」
「いつもどうりです」
「というか先生ね、ないよ! ほんとにそれはない」
え?
と、先生は微笑んだまま顔でそうあらわした。
「あ! 若菜〜」
「おぉ!」
なにがなんだかわけのわかっていない先生と、私を置いて、若菜はこの間と同じように女バスのこのところへ行ってしまった。
……。
何を話せば。
先生は、私の失言について今どう思っているんだろう。
「先生」
私の前から動こうとしない細谷先生に、話しかける。
「大丈夫ですか」
「なにが?」
キョトンとする先生。
「いや、…あの。最近変じゃないですか」
バカか、私。
これじゃ、この間と変わらない!
自分のボキャブラリーの乏しさが悲しい。
「ははは」
先生が笑う。
素の先生が一瞬だけ見えた気がした。
「どうだろうねぇ」
ちゃんとした答えを言ってくれない。
授業とは違う。
力になりたい、なんて言えないし、きっとなれない。
沈黙が続く。
先生を見上げる。
目が合って、先生は心を隠すように微笑んで、どこかへ行ってしまった。
その背中が、私にはいつもより小さく見えた。
久々の更新!!
国語のテストで書く能力だけ飛び抜けて点を取れない私←
…あはは。