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先生と、私。  作者: 南央
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歌唱テストの補習。

 「教科連絡、もしできたらあとでまた聞きに行こう」


 「うん」


 そう、頷いたら。


 「はるかなふふん〜」


 歌声が近づいてきた。

 細谷先生だ。


 2、3日前のことを思い出す。

 定期テスト明けに控えた歌唱テストの補習を昼休みに音楽室でやっていた。

 私は若菜と一緒にそれに行った。

 音楽室にいくと、生徒会の子(本名は佳澄)が、音楽室に入りたがらない例の子(本名は麻衣)をどうにか説得しているところだった。

 佳澄は途中で諦めて、私たちと一緒に音楽室に入った。


 1人ずつ歌って、先生がアドバイスをくれるという感じだったんだけど…。

 私が歌ってる最中、黒板を前として、右の側の前と後ろにある扉の後ろから、誰か入ってくる気配がした。

 歌い終わって振り向くと、その扉から1番近い後ろの席には、細谷先生がいた。


 鼓動が高まり、顔が赤くなるのがわかった。


 自分の歌には自信がない。

 まぁ、だからここに来ているんだけど…。

 よりによって、先生に聞かれるなんて。

 すごく恥ずかしくなって、若菜を引きずって音楽室から出たんだけど、女バスの子に連れられて、若菜はまた音楽室に行ってしまった。


 後ろの扉から中をのぞく。

 いつの間にか、麻衣ちゃんは音楽室に入っていたらしく、佳澄の周りで小さい体でぴょんぴょん飛び跳ねていた。

 細谷先生の方を向いて。

 手を振っているが、先生は返さない。

 申し訳ないけど、少しそれにほっとした。

 そして私は、きゃっきゃしている麻衣ちゃんを置いて佳澄が出てくるのを待った。


 「やっぱり、麻衣はガチ目に好きみたいだよー」


 出てきて開口一番、佳澄はそう言った。


 実は、佳澄には何度か麻衣ちゃんのことで相談したことがある。

 私が細谷先生を好きっていう話はしなかったけど。


 「やっぱり?」


 もう、苦笑するしかないと思った。

 私がもう一言言おうとしたら、


 「ごめん、ちょっとトイレ」


と、笑って、佳澄は音楽室の隣にあるトイレに行ってしまった。


 そこで、私の不審な行動に気づいたのかなんだか、細谷先生が歌唱テストの曲を歌いながら近づいて来た。

 私はどうしたらいいかわからなくなって、思わずトイレに駆け込んだ。


 「佳澄〜…」


 「んんー?」


 はぁ、とため息をつく。


 やっぱり細谷先生は何を考えているのかわからない。

 もう、怒っていないのだろうか?


 「ごめん、なんでもない」


 私はトイレから出て、再び音楽室をのぞき、若菜を探す。

 まだ、女バスの子に絡まれているようだ。


 と、思ったら、また音楽室から細谷先生がこっちに向かって歌いながら来る。

 なにがしたいのか。それとも意味はないのか。

 それさえもわからないのが細谷先生だ。

 私はまたも耐えられず、トイレに駆け込んだ。

 佳澄にどうしたのか心配されたけど、ドキドキのあまり私は何も言えずに、ただ立っているだけだった。


 そのドキドキには、いろいろな理由があったのだけれど。

ライバルというべきなのかいやはや

私もわかりませんが笑


読んでくださって、ありがとうございます!!

次話もがんばるので、よろしくお願いします(・v・)。

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