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先生と、私。  作者: 南央
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あの子。

 昼休み。


 その日も私はいつものように若菜と、先生のところへ明日の予定聞きに行くつもりでいた。


 細谷先生は、5組の担任だ。

 昼休みが始まってすぐは、教室にいることが多い。

 職員室に行く前に、一度5組に行こうという若菜の意見に賛成して、2人で5組に向かった。


 その教室は私たち3組の教室とは吹き抜けを挟んで向かいなので、小さな渡り廊下のを渡って5組の方を向く。


 先生が、2人の女子生徒と話している姿が目に入った。


 「あぁぁ」


 なぜか若菜が苦笑して来た道を戻り出したので、私もそれに続く。


 「あれはダメだね」


 若菜が言う。


 「うん…? まぁ…」


 曖昧に答えることしかできない。

 若菜が言っている意味はなんとなくわかったけれど。


 細谷先生と話していた1人は、生徒会庶務。

 生徒会顧問の細谷先生と話しているのを見るのは意外ではない。

 それに、私はその子と比較的仲が良い。


 問題はもう1人だ。


 去年同じクラスだったけど、被害妄想が激しくていろいろと誤解を招いてクラスではあまり好かれてはいなか…って、そうじゃなく。

 まぁそうじゃないことはないのだけれど、問題は、その子が細谷先生を本気で好き、というのが一部で噂になってることだ。

 それが彼女のようなタイプの人間だから、それを聞いた人にそのことを余計に受け入れてもらえないでいる。


 「ちょっとあれは、あたしは無理だわー」


 うぇっと、若菜がわざとらしく嫌な顔をした。


 「細谷先生も、気づいてると思うんだけど…。あそこまでやられたら」


 「だよねぇー」


 趣味悪い、と、どちらにもなく言う若菜。


 細谷先生が気づいているっていうのが更に問題。

 細谷先生が気づいているっていうのに本人が気づいてないっていうのも問題。

 とにかく、問題だらけなんだ。


 私も、人のこと言える立場ではないけど…。

 でも、あの子と同じ風になりたくないって思ってる自分がいる。

 他の人には絶対に言わない。

 だから余計に気になるのかな。


 「今日は、聞くのやめようか」


 「…うん」


 先生と話せないことは残念だったけど、今はどっちにしろ怖くて話せない。

 先生はもう、あんなことを言った私を許してくれているんだろうか。


 「あの子さー、嫉妬深いしね。本当怖いよー、正直目つき悪いし、あんなんに睨まれたら夢に出てくるよ」


 確かに。

 私は悪口は好きじゃない。若菜もそのはずだ。

 その理由はお互い違うけど…。

 でも、今のだって悪口に入るだろうし、悪口は好きじゃないなんて綺麗事かな、と思う。

 でも、あの子を好きになれない理由があった。


 先生を好きで積極的(?)にアプローチしているからかって言われて、違うと言ったら嘘になるけど…。

 私は私なりに彼女と話をしていたのだけれど、なぜか気に入らなかったみたいで、かなり一方的に悪口を言われた。

 さらに生徒会の子から聞いた話だと、私が自分に対して悪口を言っていたと思っていたらしい。

 本当に怖い。


 それ以来、私はあまり彼女に近づかなくなった。


 そんなあの子が、先生を好きなんて。


 先生のあの真っ直ぐな目に、あの子はどう映るのか知りたいと思った。

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