嬉しい秘密。
「おはようございます」
校門の方から声がする。
大好きな、細谷先生の、声。
いつもは、通る前、嬉しい気持ちに少し切なさが混じっていたんだけど、今日は胸が苦しくなるほど嬉しい一筋だった。
待っててください。
細谷先生の、言葉。
いつまでも待ってますよ。
絶対に、待ってます。
本当に、現実に起きたことなのか、今でも信じられない。
先生。
私が、ずっと好きだった人。
叶わないって、思ってたのに。
あと、10メートル。
自然に顔が緩んでくる。
「佳乃、上手くいったんだ…?」
優しく微笑んだ若菜と目が合う。
「…うん」
たった2文字も、言うのが恥ずかしい。
なんか、胸が、どきどきする。
「そっか! 良かったね」
「ありがとう」
若菜は、自分のことのように喜んでくれて。
良い友達だって言ってた、細谷先生の言葉を思い出した
「おはようございます」
先生の、優しい声が近づいてくる。
あと、5メートル。
制服は、整ってるかな。
スカート丈は、おかしくないかな。
髪は、乱れてないかな。
ちゃんと、チェックして。
「おはようございます」
あと、3メートル。
どきどきが、やばい。
先生、大好き。
そう、叫んでしまいそう。
「木村! スカートが短い!」
「伸ばしましたって! うるさいなぁ」
若菜と生活指導のいつもの会話にも、思わず笑ってしまう。
あと、1メートル…。
「おはようございます」
「おはようございます…」
細谷先生の真っ直ぐな瞳が、私を捉える。
心臓の鼓動が、今日1番速くなる。
目があった瞬間、ふわって顔をした先生。
胸の奥の、誰もさわれない、細谷先生だけが届くところをくすぐられたみたい。
ただ、みんなと同じように、挨拶を会話かわしただけなのに。
幸せ、ってこういうことなのかな…。
久しぶりですね…
読んでくださってありがとうございます!
これからもお願いします( ˘╰╯˘)♡*゜




