心配だから。
「説明に随分時間がかかってしまいましたね」
先生が、笑う。
隣のおばさんに状況の説明をして、やっと釈放された。
今は、私の家のリビングのテーブルに、2人で向かい合うように座っている。
「先生…、なんで、来たんですか?」
恐る恐る訪ねる。
「小林……佳乃さん。今日、学校を欠席しましたよね」
「…はい」
それを、心配してくれたんだろうか。
担任でもないのに。
もしそうだったら、私は先生に、すごく期待してしまう。
「…欠席の連絡をしましたか」
………!
わ…忘れてた……。
「心配になったんです。親がいないと言っていたので。もしも…、と思うと」
「ごめんなさい…」
謝りつつも、心は嬉しさでいっぱいだ。
「いいです。大丈夫なようなので…」
すごく優しく、先生が微笑む。
「細谷先生」
「はい」
名前を呼ぶと、返事が帰返ってくる。
「ほそや…せんせ」
自分の声が、声でなくなっていくのがわかった。
「……」
先生が困った顔で私を見る。
「先生。…せんせ。細谷、せんせい……」
「佳乃さん」
涙が出てくる。
「昨日も言いました。溜めるな、と。覚えていますか?」
私は必死に涙をぬぐいながら、大きく頷く。
「訳もなく涙が出るようなときでも、あなたは、私を頼りなさい。意味が、わかりますか?」
「……はい……」
「私は、できる限りであなたをサポートします。教師として、できることをします」
細谷先生が席を立って、私の隣にくる。
「担任ではないです。でも正直、小嶋先生にあなたを任せられません。……私はあの人より、あなたのことを知っている自信があります」
私の手が、大きくて温かい、優しい細谷先生の手に包まれる。
「いつでも、頼ってください」
涙が溢れて止まらなくなった。
だから、私は、いつまでも先生が好き。
叶わなくても、先生が好き。
好きだって、言いそうになるくらい。
細谷先生。
気づいてますか?
物語の方向性が…笑←
そして文章力のなさ。