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先生と、私。  作者: 南央
13/51

送ります。

 目が覚めると、窓から夕日がさしていた。

 記憶をたどる。


 1度寝たあと、お昼を食べて、養護の先生にまだ寝ているように言われたんだっけ。


 汗をかいたみたいで、制服が気持ち悪い。


 「あ、起きた?」


 養護の先生がベッドのカーテンを開ける。


 「やっぱり、お家の方と連絡取れなくて…」


 「……そうですか…」


 声がなかなか出なかった。

 口の中がからから。


 「どうしよう。もう1回、熱測ってもらってもいい?」


 「…はい」


 体温計を脇に挟む。


 保護者が来ないと、早退することができないのだろうか。


 「一応、担任の先生が再度連絡をとってくれてるんだけど。繋がったら、伝えにきてくれるって」


 ぴぴぴぴ。

 38.3℃。あがってる。


 カラカラ、と、保健室のドアが開く。


 「失礼します」


 入ってきたのは、細谷先生、だった。


 なんで。

 びっくりして、心臓がどくどくいう。


 「小嶋先生は今出張でいらっしゃらないので、代わりに私が連絡をとったのですが」


 細谷先生。


 聞きたかった、細谷先生の、声。


 「お父さんと連絡が取れましたが…。お父さんは単身赴任されていますか?」


 急に、私に投げかけられた質問。


 「…はい」


 父は仕事の関係で、県外に単身赴任している。

 だからきっと、父に連絡が取れても迎えにきてもらうことは不可能だと思う。


 「1人で帰らせてください、と言っていたのですが」


 やっぱり。

 そう、なるってわかってた。


 「でも、熱は下がってないですし、1人で帰らせるのは危ないかと」


 養護の先生が言う。


 「……大丈夫、です。1人で帰れます」


 ベッドから起き上がり、足を下ろす。

 一瞬めまいがして、とっさにうずくまる。


 「無理しちゃダメよ」


 養護の先生が私に寄り、おとなしくするように言う。


 「それに、最終下校時刻も迫ってますし、やはり危ないかと…。確認を取りたいことがあるので、少し、職員室に行って、すぐ帰ってきます」


 細谷先生は、養護の先生じゃなくて、私に言い聞かせているようだった。


 「お願いします」


 細谷先生は保健室から出て行き、そのあとに養護の先生が水をくれた。


 すごく喉が乾いていたからか、水がつっかかるようで、飲むのがちょっと苦しかった。


 本当にすぐに、細谷先生は戻ってきて、いつもみたいに私をまっすぐ見て、言った。


 「私が送って帰ります」

こんな先生いたらいいのに!

好きになるのに!!←


観覧感謝です♡*゜

これからもお願いします(・v・)。

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