第六話《Propose》(5)
今回、文字数が極端に少ないです。
申し訳ございません。
今後は元に戻すつもりでいます。
深夜、未分類型寮の屋上ではまた、レティ・アークライトがいた。
彼女は携帯電話を取り出して、ボタンを押した後にそれを耳に当てる。
「もしもし、お母さん?」
電話の相手はレティの母。名前は同じ『レティ』である。
彼女の母もまた、アークライト家の長女なのだ。
「上手くやってるよ。……えっ、蒼の息子? うん、ライバルが多くて困っちゃうね」
苦笑するレティ。
母に君翼の事を聞かれたようだ。
君翼に求婚を断られ、それでもなおアタックするのはレティがそれ程君翼を想っているという事。
君翼のそばにはレティのように彼を想う者は三人もいる。
そう、三人だ。
セレス、夕火は見ればわかるし、レティから見れば千鶴も君翼の事を気にかけているようだった。
せめて夕火のように休み時間おきに君翼に会いに行く事ができればまだ違うのだろうか。
それとも、君翼はレティを心の中で嫌っているのだろうか。
そんなネガティブな思考が浮かんでくる。
このままでは君翼を振り向かせる事などできない。
まずは君翼に自分の存在をアピールせねばならない。
「ねぇ、お母さん。一つ頼み事かあるんだけど……」
そう言うと携帯電話を口に寄せて、静かに何かを言った。
「うん、危険なのはわかってる。……何よ、この間は『もう充分じゃないかしら?』なんて言ってたくせに」
何を言ったのか、レティの言葉に母レティは反対をしているようだ。
「私はどうしても君翼君と仲良くなりたい。お母さんもそう言ってたじゃない。これはまたと無いチャンスなんでしょ? 君翼君は魔女じゃないって」
君翼は男である。魔『女』にはなれない。
すなわち君翼とレティが結婚するという事は、二つの魔女の血が合わさるという事なのである。
「だから、おねがい」
レティは電話越しに深々と頭を下げた。




