第5話(35話)オリジンパワー
☆この小説に出る登場人物の名前は実際の団体名・個人名とは一切関係ありません。☆
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12時に約束の場所。
ミイナは家で留守番ということにしておいた。
10分少し早くその場所へ行った。俺はだいたいどんな話をされるかわかっていた。
きっとあのことだ。
「いらっしゃいませー 1名様でしょうか?」
と店員に聞かれる。
「いや、もう先に友人が待っているんで・・・」
と俺は言う
「あ、それならあちらのテーブルになります。」
と言われ案内される。
「あっ海藤君!!こっちこっち!!」
と大学教授の春田が呼ぶ
春田は大学でこの人体実験の事について調べていた。春田は昔イギリスの大学で人体実験の手伝いをしていたんだ。しかし、人体実験があまりにも危険すぎることを知って反対側に向かうと実験チームからは追い出され今ではこの実験をどうすれば止めれるかを研究している。
「どうも、久しぶりというところか・・・」
と俺は言う。
「そうね・・・まぁもう少し慣れたころに呼びたかったのだけど・・・」
と春田は言う。
「だいたい言いたいことはわかっている。術者狩りのことか。」
と俺は言う。
「まぁね。きっと裕太たちから聞いたのでしょうね。」
「あいつらのこと知ってるのか?」
「まぁね。実験の時は関っていないけどあの子たちには助けられたから。」
「えぇそうよ。 あれは5年前ぐらいの話。 私はイギリスで研究をしてたけど日本へ返されたのは知ってるよね? もうその頃は日本に術者狩りというのが居たのよ。私は研究グループでも結構トップな所にも言ったからだいたいのあなた達の術の構造は知っているんだわ。 それを知った術者狩りは一気に私のところへ近寄ってきたの。
その時に命を失いそうになって・・・・ だけどそれを助けてくれたのはあの子たち。 命の恩人だわ。」
と春田は説明する。
「自分で作った道具に助けられたわけな。」
と俺は言う。
「ちょっとー 私は研究だけを少しだけ助けただけよ?」
「まぁ分かってる。お前の判断は間違っていないっていうことはな。 もちろん騙されていたってことも」
「ありがとう。理解してくれて。 それより話なんだけど・・・ 術者狩りの事」
と春田は小声で話す。
「今のところ狙っているのは・・・・あなた・・・・じゃなくて・・・由紀ちゃんの事。」
と春田は話す。
「由紀?あぁミイナの事か・・・っておい!なぜだ?」
と俺は大声でいう。
「ちょっと声がでかい! 何か由紀ちゃんのことについて知っていることある?」
「・・・・ あいつの術については良くわからないな・・・」
「そうなのね・・・ どうやらあの娘、すんごい力を持っているらしいわ。術者狩りが狙うぐらい。」
「それなら・・・お前が情報を持っているんじゃネェのか?」
「持ってたら今頃動いてるわよ~ そこが謎なの。 私の推測だけど・・・・ あの娘はもともと術を持っていたのではないのかと?」
「そんなのあり得るわけないだろ!! お前、イギリスのデータベースも調べたのか?」
「えぇ、もうやったわよ。だけど実験リストには載っていないわ。むしろあの娘の年だと・・・もう実験はちょうど終わっているわ。」
「うそだろ・・・そんなわけ」
「もしあり得るとしたら・・・由紀ちゃんは術の起源『オリジンパワー』の持ち主なのかもしれない。
その力があれば・・・この世界なんて破壊は簡単よ・・・」
「ここで調べることはできないのか?もし、あいつの身になにかあれば・・・ 早くそれが違うことが証明できれば・・・」
と俺は言う。
「それも考えたけど・・今はとても危険だわ。もし検査中に機械でも乗っ取られれば術だって引き出すことが出来る。そしてその人の術にでもなってしまうわ・・・」
「術者狩りは今どうなっているんだ?」
「多分必死にあなた達を探しているわ・・・ 一刻でも早く見つけて・・・殺し・・・」
と春田は下を向きながら言う。
「わかった。ありがとう・・・ また何か分かったら連絡してくれ・・・」
「あなたも気を付けてね。 本当に。」
といい俺は店を出る。
「(ミイナが『オリジンパワー』を持っているだと・・・ オリジンパワーはもうこの世の中にはないと聞いていたが・・・)」
と俺は思いながら走って家へ向かった。
家まで500mというところで嫌な予感がした。
「ミイナ!?」
俺は急いで家へと向かった。
・・・
・・・
家に着いた。家からは煙が出ていた。
扉が完全に壊されていて他のアパートの住民は外へ避難していた。
俺は住民の人にすぐに聞いた。
「すみません!いったい何が。」
「俺もよくわかんないが・・・ ちょうど家に着いたときドーンって音がして・・・ 外を見たらこの通りだよ。」
「警察とかは?」
「もうすぐ来るらしいけど・・・どうやら人質みたいでな・・・」
俺はすぐに部屋へと向かった。
「(ミイナが・・・ミイナが・・・)」
なかは煙で見えなかった。
もっと部屋の奥に向かうと女とミイナが居た。
「おい!てめぇ・・・ミイナから離れろ!」
と俺は叫ぶ。
「あらあら・・・ ザックス・アンドレスね・・・ 待っていたわ。」
と女は言う。
「お前の狙っているものはわかっている・・・ 黙って離せよ・・・」
「それは出来ないわ。あなたはわからないかもしれないけどもし私を殺せても次を待っている人はそこらへんにたくさんいるわ・・・・ だからおとなしく私に殺されるのを推薦するわ。」
「っち・・・みんなここまで来ているって訳なんだな・・・」
と俺は言うと
「逃げ道がねぇのなら・・・ストーレートにいくぞ!!」
といい俺は攻撃をしていく。
「ダークボール!!」
「少しだけ相手をしてあげましょうか・・・消えろぉ!」
「私の剣を壊せることができるかしら・・・」
と相手の女は攻撃を剣で止める。
「何?剣術師か・・・」
俺は手から出血していた。
「ザックス!!」
とミイナは叫ぶ。
「おやおや早速私の攻撃が効いたかしら・・・・ 私のスピードに着いてこれるかしら・・・」
と女はいいいとても速いスピードで剣を振ってくる。
「何・・・見えない・・・」
とザックスはどうにか避けていく。
その時だった目の前に何かのカードが地面に落ちた。
「(なんだ?)」
と俺は思う。
「考樹!これを使って!!」
と小鳥坂は言う。
カードからは剣が出てきた。どうやら道具カードだ。
「わかった!ありがとな!」
と俺は言うと小鳥坂はミイナのところへと走って行った。
「私の獲物に手を出すんじゃない!」
と女は言う。
「お前の相手は俺だっていってんだろぉが!! 他の奴に手を付ける暇でもあんのか?」
と俺はいい剣で攻撃をとめる。
「(なによ・・・この剣・・・見たことないわ・・・ まさか術が剣を取り巻いているとでも・・・)」
と相手の女は言う。
「どうやら本気の様ね。私はアンナよ。名前を言ったからにはあんたを殺すわ・・・」
とアンナは言う。
・・・・
・・・・
その頃小鳥坂はミイナのロープをほどき1.5㎞ぐらい走って人目のない少し暗いところに逃げていた。
「もう大丈夫だよ・・」
と小鳥坂は声を掛ける。
「ありがとう・・・姉ちゃん・・・ あのさ・・・ごめんね。」
とミイナは言う。
「謝る必要なんてないわよ。あいつはやってくれるわよ。」
「そうじゃないの。」
とミイナは言う。
「ザックスが追われているのは私のせいなのよ・・・ 私があんな力さえ持っていなければ・・・ 奴らの目的はほとんどが私なの・・・ 私が着いて来たりしたから・・・」
「そんなことないわ。その考・・・いやザックスはあなたを絶対守るわよ。 あなたが悲しむ必要なんてないわ・・・」
と小鳥坂は言う。
「よぉお嬢ちゃんとオリジンパワーよ・・・」
と若い茶髪の男が声を掛けてくる。
「あんたは誰よ・・・」
と小鳥坂は言う。
「ははは、術者狩りだよ。オリジンパワーを狙っている・・・」
と男は言う。
「由紀、動かないでよ。」
と小鳥坂は言うとカードを出すが・・・
「(しまった、今カードは使えないんだ・・・考樹が使っている・・・)」
「どうしたんだい!?まさかカード術師さんかい?」
と男は言う。
「(でも由紀を守らなきゃ・・・)」
と小鳥坂は思うと素手で攻撃をする。
「うぉぉぉぉぉぉぉ」
しかし小鳥坂の攻撃は素手で止められて弾き飛ばされる・・・
「もうやめて・・・」
とミイナは心の中で叫ぶ。
「はっ・・・ もういちどぉぉぉぉ」
と小鳥坂は向かうが
「おいおい、そんな攻撃でいいのかい?俺の力にはかてねぇぜ? おらよっ」
と男は小鳥坂を蹴り飛ばす・・・
「うっ・・・ まだまだこんなんじゃないわよ・・・」
と小鳥坂はもう一度攻撃をする
「だから・・・今度はほんとに死ぬぞぉ!」
と男は言うと
「(死ぬ!?)」
とミイナは思う。
「(みんな私のために・・・私のために・・・ もう私も・・・)」
とミイナは思うと
「水の神よ・・・私たちに逆らう物を全てこの世から消しあの2人を救い出よ。」
とミイナはいつもと違う声で言う。
「どうしたのよ・・・」
と小鳥坂は言う。
「ぐぅぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
とミイナは言うとミイナの手から大きな水の玉がいくつも出ていた。
「ウォーターカッター・・・水の神よ 奴を全て粉々に刻めよ」
とミイナは言うと大きな水の玉は空を飛び相手の男の頭の上から早いスピードで落ちて行った。
「なに!?」
そして男は見ぬうちに水によって粉々になっていった。
するとミイナは倒れた。
「由紀!!」
と大声で小鳥坂は言う
・・・・
・・・・
その時ザックスはアンナと戦っていた。
「どちらもぼろ雑巾みたいだなぁ・・・」
と俺は言う。
「最後は・・・綺麗に決めましょうか・・・覚悟するがいいわ・・・」
とアンナは言う。
「っふん・・・いいだろ・・・俺はいつも命懸けだからな・・・」
というと2人は剣を構えていた
その時向こう側から何かが降ってくるのが見えた
「なんだあれは・・・」
と思っているとアンナはすでにこうげきをはじめていた。
「まずい・・・」
キーン
・・・
・・・
「うっ・・・ うわぁぁぁぁぁぁぁぁ」
とアンナは声を上げていた。
何が起きたんだとその時は思っていた。
水は光のように襲ってきた。
「なんだ・・・これは・・・」
とザックスは思う。
すると向こう側からミイナを背負った小鳥坂が走って来た。
「考樹~!!」
と小鳥坂はやってきた。
・・・・
・・・・
俺の家。
「全く・・・一人で暴れまわるんだから・・・」
と小鳥坂は手当てしながら言う。
「いって・・・ もっと優しく扱ってくれよ。」
「うるさいわね!!ところで・・・あんたの相手も水の玉みたいので死んだの?」
「あぁ・・・ 確かにあれはそうだ・・・」
「それなんだけど・・・どうやら・・・由紀ちゃんが出したみたいで・・・」
「由紀が!?」
「うん、確かあの男がオリジンパワーって言ってたわ・・・」
「やはり本当なのか・・・」
「何か知ってるの?」
「知ってるも何も奴らの狙いはこいつなんだ。この力を狙っているんだ。」
と2人は話す。
辺りは陽が暮れて行った。
あれから俺は廊下で寝て小鳥坂とミイナはリビングで寝ていた。
朝目が覚める・・・
「(うぅ・・・なんでここで寝ているんだ・・・ そうか・・・あいつが来てるんだ・・・)」
と俺は思うと向こうから走ってくる音がする。
「考樹~!!」
と俺を踏みながら走っていく。
「おぇ!!お前踏むなよ!!」
「それより・・・ 由紀ちゃんが!!」
・・・・
・・・・
どうやら由紀は外へと出て行ったみたいだ。
俺たちは裕太たちにも協力をしてもらい探すことにした。
もう2時間も探していた。
さすがに心配だった。
「後探していないのは・・・あの公園か・・・」
と俺は公園へ向かった。
するとミイナはブランコに乗っていた。
「ミイナ!!」
と俺は叫ぶ。
「ザックス・・・」
と小声で言う。
「よかった・・・ここに居てくれて。。。」
と俺は言う。
どうやら色々と歩いていたらここに着いたらしい。
「さぁ家に帰ろう。小鳥坂も来てるぞ。」
と俺は言う。
「ねぇザックス・・・ごめんね・・・」
と泣きそうな顔でいう。
「どうしてだよ・・・」
「私さえ一緒に居なければ・・・ザックスはこっちでもっと楽しく生活できたんだよ・・・だけど・・・私のせいで・・・ もう、私はここに居ちゃいけないんじゃないかなって・・・ だから私を先にイギリスへと・・・」
「それはできねぇな。」
と俺は言う。
「俺は一つ約束をしていてな。 俺はお前と約束をした。 お前を何からも守るとな。 どんな力を持っているか知らんが・・・俺はお前を誰にも傷つけたりさせねぇ。もちろん俺だけじゃないんだ。小鳥坂も裕太も綾乃たちもそうだ。だからお前は何も思う必要はない。勝手に死ぬんじゃねぇぞてめぇ。」
と俺は言うとミイナは笑顔になっていた。
「うん!」
公園の外では小鳥坂達が聞いてた。
・・・・
・・・・
キーンコーンカーンコーン
「海藤!おはよっす!! 一昨日も事件があったとはな・・・ ほんとこの街は荒れてきたなー」
と斉藤がいつも通りに話す。
「みんな思春期だからそんな事件が起きてんだよ。ちょっと我慢してやんな。」
と俺は言う。
「いみわかんねーよ」
と斉藤は言いながら下駄箱へと行く。
そこには小鳥坂が待っていた。
「よぉ・・・考樹・・・」
と小鳥坂は小声で恥ずかしそうに言う。
「(名前で呼び合うだと!?)」
と斉藤は思う。
「なんでしょうか小鳥坂さん。」
「人が名前で呼んでやってるのに名字で返すのはないでしょ!!」
「名前覚えるのめんどくせーよ。」
「あんたいい加減にしなさいよ・・・ それより・・・昨日は見つかってよかったね・・・」
「おぅ。ありがとな。」
「あんた、本当に由紀ちゃんを守ろうと思ってるの?」
「はぁ?もちろんだよ。 俺はもう何もなくしたくねぇからな。」
「ふ~ん この変態ロリコンが!」
と小声で言う
「ロリコンじゃネェよ!」
といつも通りの会話をしていた。
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