最終話(52話)
どうも、最終話です。
とても最終話みたいな終わり方じゃないですが第3期へと続きます。
第3期はもうすぐ書くようにします。
「う・・・うそだろ・・・・」
俺は目を疑う前に急いで駐車場へと走っていった。
「(まだ間に合うかもしれない・・・)」
と俺は思いながら走っていくがもうミイナの姿はなかった・・・
「(夢でも嘘でもない・・・ あれは本物だ・・・・ まだこの世界にいるんだ・・・)」
と俺は確信した。
・・・・・
・・・・・
俺は朝食なんて食べている場合じゃないと思い急いで家へ帰る。
家の扉を開けようとしたとき
「(あれ、鍵が開いている・・・どうしてだ・・・ ちゃんと閉めてきたのに・・)」
と俺は思う。
俺は誰かが家にいると思い家の扉を開ける。
「あ、考ちゃん。どこいってたの?」
というのはお母さんだった。
「お・・・お母さん・・・?」
と俺は目を疑ってしまう。
しかし、俺は今まで同じようなことをマリみたいに体験していたからすぐに事態が理解できた。
「もう、日本から帰ってくるのなら早く連絡してくれたら良かったのに・・・」
と母さんは言う。
「あぁ こっちも急だったからすまんかった。」
と俺は言う。
「朝食作ってきたわよ?」
と母さんは言う。
「なぁ母さん・・・ 父さんって今どこにいるんだ?」
と俺は今一番聞きたいことを聞く。
「お父さんなら今日も大学で仕事よ? 夜はそんなに遅くならないって言ってたから・・・」
と母さんはまるで父さんがいつも家族と一緒に居たように言う。
「そっか・・・なら、俺は約束があるからそろそろいくよ」
と俺はいい家を出ていく。
「気を付けて行きなさいよ!!まだ時差ボケしてるんだから!!」
と母さんは言いながら俺を送り出す。
死んだはずの母さんやマリが居て、あの時姿を消したミイナが居て・・・
もちろん全て驚いた。だが俺には驚いている時間もそんなになかった。
確かにこっちの世界はみんな幸せそうだ。術というものが無くなったから戦争も起きない。ましては、悪質に使う人も居なければ術のために死んだ人も生きている。
もし、今までの世界と比べるのなら人々は術のない生活を選ぶだろう。
だが、俺はどうなんだ・・・この世界になれればいいのか・・・・ それとも自力で世界を取り戻すのか・・・・
そんなことを考えながら俺は父さんがいるだろうとされる国立の大学にやってきた。
何を研究をしているのかわからない。もちろんオリジンパワーが消えたからその研究はしていないだろう。だが、父さんもきっと記憶が残っている。残っているならば・・・
と俺は思いながら大学へ入る。
俺は受付に行って父さんの名前を言う。すると受付係の人はここに呼ぶといい俺を待たせる。
・・・・
・・・・
15分後ぐらいだった。
俺の目の前に父さんが現れた。
「父さんなのか・・・お・・・俺の知ってる父さんなのか?」
と俺は聞く。
「おまえこそ・・・記憶のあるザックスか?」
と父さんも聞く。
「あぁそうだ・・・ よかった・・・・」
と俺は言う。
「詳しい事情は部屋で話そう」
と父さんは言うと俺を父さんの部屋に案内する。
・・・・
・・・・
「まさか、イギリスに来ているとは思わなかった」
と父さんは部屋に入ると俺に一番最初に話しかけてくる。
「ああ。きっと父さんもまだわからないと思うけど・・・ この世界はどうなっているんだ?」
と俺は聞く。
「ひとつわかることは・・・・ 見ての通りこの世界には術が存在していない。そしてこの大学にもそんな資料は1冊もないことからオリジンパワーというものは存在していないということになっているだろう。」
とデイビスは言う。(デイビス=父さん)
「それは要するにオリジンパワーが自分から滅亡したということだな?」
と俺は言う。
「そういうことになる。そしてもう一つわかったことは・・・ あのイギリスの軍事司令長官ドードがなぜかあの時の記憶を持っていることが判明された。おそらく特殊能力を使用したのか・・・」
とデイビスは言う。
「ドード?なんでその時の記憶を持っているんだ。確か記憶を持っているにはあの場所委に直接いないといけないはずが・・・」
と俺は言う。
「おそらくあの衝撃ではどんな術者だろうが人間だろうが避けることは出来なかっただろう・・・ もしその話が本当だとするのならドードは何かの新しい力を持っている。それこそ特殊能力だ。」
とデイビスは言う。
「特殊能力?それは何なんだ?」
と俺は聞く。
「オリジンパワーが居た時代にお前の持っている術ともう一つの特殊能力が存在していたということだ・・・特殊能力については何もわからない。もし、増殖されてしまえばイギリスは本当に世界一になる。きっとドードの目的はそれだ。」
とデイビスは言う。
「そんな・・・ またこの世界でも戦争が起きようとするのか・・・?冗談だろ・・」
と俺は思い言う。
「冗談だと言い話なんだがな」
とデイビスは笑いながら言う。
俺はこの話が冗談だとは思えなかった。
・・・・
・・・・
ある大学
ドードは早速、もう一つの世界で完成させた特殊能力を人間に組み込ませる実験を開始していた。
「ドード様、間もなく実験が開始されようとしています。」
と科学者はドードに言う。
「それは良かった。もうすぐ見返す時が来るんだな・・・ 超天才科学者が作った物を抜かす日が・・・」
とドードは天井を見ながら言う。
「科学者じゃなくても・・・ こんなものは簡単に作れたんだ。この世界で実施すれば・・・問題なんぞない・・・」
とドードは続けて言う
「ところでドード様、この特殊能力をどのように使用していくのでしょうか?」
と科学者は聞く。
「俺のいたもう一つの世界でわな、術というものが存在していたんだよ。私はその術に頼ってイギリスを世界一にしようと思ったんだがね・・・ なかなかその武器が思うように活用しなくて・・・ それだから俺はもう一つの世界で開発した特殊能力と言われるものをこの世界に持ってきたのだ。今のイギリスなら勝てる。どの世界にも勝てるんだよ!」
とドードは言う。
「なるほど。かしこまりました。しかし、ドード様。我らもこのような人体実験は初めての物でして・・・とても成功率は低いと思われますが・・・」
と科学者は言う。
「失敗してゴミになった武器はそのまま捨てればいい、そのつもりでいるわけだから。」
とドードは笑いながら言う。
「ま、君は科学者の中でも頭がいい方だ。この特殊能力も科学で証明することが出来たぐらいだからな。せいぜい、頑張ってくれ。」
とドードは言う。
「はい、わかりました。」
と科学者は言うと自分の部屋へ戻っていく。
「デイビス、お前の時代は終わった。」
とドードは独り言を言う。
・・・・
・・・・
俺は家に帰り一人考えていた。
俺がミイナを探している理由は何なんだろう。
オリジンパワーは消滅したからこの世界に存在する訳がない。
もし、オリジンパワーがいたとしても元の世界に戻りたいか・・・
この世界にはあの時の悲しみが無かったように続いている世界である。
何か違う・・・俺の求めているものとは。
術のない世界・・・それは俺が望んでいた世界でもある。
そしてその世界が今の世界でもある。
それならば俺はここに居た方がいいのか・・・・それともまだ元の世界へ戻りたいと思うか。
自分がどう思っているのかよくわからなくなった。
思いたくわないが、これは俺が作った世界だ。
- end -
第3期へ続く。
☆この小説に出る登場人物の名前は実際の団体名・個人名とは一切関係ありません。☆
今回も小説を読んでいただきありがとうございます。もしよかったら、評価・感想・お気に入りを宜しくお願いします。