第20話(50話)変える。
☆この小説に出る登場人物の名前は実際の団体名・個人名とは一切関係ありません。☆
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50話
もう5日ほど経った。
裕太が居なくなってからだ。
食べるものも無く飲めるものも日に日に少なくなっていった。
このままじゃ死ぬのじゃないか。と俺はずっと思っていた。
だが俺は毎日春田の大学の跡地に行き何かの手がかりになるものを探していた。
「何にもねぇ・・・」
と毎日つぶやくだけだった。
ミイナは目を開けることもなかった。
「俺は・・・・ ここで死んでいいのかよ・・・ ここで・・・」
俺は黒い空を見てそんなことを考えていた。
川の上の橋は崩れていて水は黒い空に反射し黒く見える。
「人類滅亡か・・・」
と思った時だった
「ザ・・・ザックスか?」
と遠くから声が聞こえた。
俺はこの地に人が居ることに驚きすぐに後ろを振り向いた。
「よかった・・・・ここに居たか・・・」
と走ってきたのは俺の父さんデイビス・アンドレスだった。
「父さんなのか・・・」
と俺は言う。
「そうだ・・・ やっぱりオリジンパワーが残してくれたのか・・・」
と父さんは言う。
「父さんこそ・・・いきなりどうしたんだよ?」
と俺はさっきまでの喜びを隠し言う。
「俺の研究通りだったわけだな・・・」
とデイビスは言うと
「やっぱり・・・これも父さんの計画だったのか・・・」
と俺は言う。
「何を言ってるんだ・・・これは俺の計画じゃ・・・」
とデイビスは言った時
「そうじゃねぇかよ。 計画計画って・・・ 父さんの計画は人類滅亡だったのかよ!?」
と俺は言う。
「まぁ・・・今のお前に俺の言うことは信じてもらえないだろうな・・・ それもそうだ・・・ 俺は何十年もお前を見ていなかったからな・・・」
とデイビスは言う。
「信じようが信じないが聞いてほしいんだ。この事態は変えることが出来る・・・それもお前の手で帰ることが出来るんだ。」
とデイビスは言う。
「そんなことは他の奴からも聞いた。その変える方法は知ってるの?」
と俺は聞く。
「それが・・・知っているのは春田だけなんだ・・・」
とデイビスは言う。
「俺だって春田の資料室は調べたがそんな情報は書いてなかったぞ。それになんで父さんはそのことを知らないんだ?」
と俺は聞く。
「俺はオリジンパワーの対処方法は研究していなかったんだ。ただ普通の人間にどうやればパワーを人間にくみ込めれるのかとしか研究していなかったんだ・・・ 人間からパワーを取抜くことと強いエネルギーを抜くことを研究していたのは春田だけだったんだ。」
とデイビスは言う。
「もし、着いて来てくれるなら・・・・ 着いて来てくれ」
とデイビスは言う
俺は怒りで裕太からもらった銃を父さんに向けようかと思ったが今はやめておいた。
そして2人はもう一度春田のいた大学へと行った。
行く途中
「春田はどうなった?」
と俺は聞いた。
「もちろん今は死んでいる。」
とデイビスは言う。
「そうなんか・・・ なぁ、この事態を戻せるということはどういうことか?」
と俺は聞く。
「すぐにわかるだろう。」
とデイビスは言った。
『す・・・すぐにわかる?』
俺はその言葉を聞いてピンと来た。
あれは俺が5,6歳のころだった。
その頃に少しだけ父さんに会うことが出来たんだ。
「お父さん? どうしてこんな物に入ってこんなのをつけるの?」
とその時の俺は聞く。
「大丈夫だ。すぐにわかるだろう」
と当時の父さんは言う。
俺は疲れているせいかその言葉を聞くとパニック状態になってしまった。
「父さんは・・・父さんは・・・いつもすぐにわかるだろうと言って何かを隠しているよな・・・」
と俺はいいながら父さんに銃を向ける。
「どうしたんだ!?」
とデイビスは言う。
「そうだよ・・・・ この事態を作ったのは父さんなんだよな・・・ そして今ここにいるのは俺と父さんだけ・・・ 人類は滅亡したんだ・・・ だからここで死んでしまえば・・・ 本当に人類は滅亡する・・・・」
と俺は言う。
「・・・」
デイビスは無言になる。
「そうだよ・・・ 結局ミイナがイギリスに奪われようがアメリカに奪われようが・・・ 奴らが望んでいたのは人類滅亡・・・」
と俺は言う。
するとデイビスは俺のところに向かってきた。
「おい・・・ 動くんじゃネェよ・・・ 本当に殺すぞ・・・」
と俺は言う。
「なるほどな・・・ 親父に向かってそんな口がたたける年になったか・・・」
とデイビスは言いながら近づいてくる。
「死にたくねぇのなら・・・ ここから離れろ!」
と俺は言う。
「ザックス・・・悪いけどその銃の中の弾を調べてくれ・・・」
とデイビスは言う。
「な・・・なんだ?」
と俺は言いながら銃の中を調べると弾は入っていなかった。
「その銃には弾はもともと入っていない、だからお前は俺を殺せない。」
とデイビスは近づきながら言う。
「ま・・待ってくれ・・・」
と俺は言う。
するとデイビスは俺の目の前で止まった。
「すまなかった・・・ もちろん俺がお前をずっと見てこれなかったことはわかっている。」
とデイビスは言う。
「もう一度言いたいんだがこの事態はお前の手で変えることが出来るんだ・・・さっきお前がオリジンパワーはイギリスやアメリカに奪う目的は人類滅亡だ・・・と言ったが全くその通りだ。それならばお前がオリジンパワーを保護してきた目的は人類滅亡か?違うだろう・・・ それならばまだ遅くはないんだ・・・ お前の手でもう一度あの時へと戻れる。 お前もずっと苦しい思いをしてきたと思うが戻りたいだろう?あの世界に。 ならばここで死ぬことを考えずに・・・俺に手伝ってくれ。」
とデイビスは言う。
「・・・・」
俺は半分涙を乾いた地面に流しながらデイビスの話を聞く。
・・・・
・・・・
春田の研究所。
俺たちは俺と裕太が一度来た資料室にまたやってきた。
「ここにはそんな資料はなかったぞ」
と俺は言う。
「わかっている。悪いがこの資料室をお前のダークインパクトで攻撃してくれ。」
とデイビスは言う。
「な・・・なんでだ?」
と俺は聞く。
「いいから頼む。」
とデイビスは言う。
「わかった。」
と俺はいい手から闇の玉を出して資料室に投げる。
ドーーーン。
と大きな爆発音とともに辺りは黒くなる。
「お・・・おい、ほとんどの資料が消えたぞ・・・」
と俺は言う。
「いいんだ。前の棚の資料を見てくれ」
とデイビスは資料のないはずの棚を指す
「な・・・なんでだ・・・資料が1冊残ってる」
と俺は言う。
そう、資料が1冊だけ残っていた。
「解決策の資料はオリジンパワーの爆破にも耐えきれるように開発されているんだ。それと見つけれるのも簡単にしてある。」
とデイビスは言う。
「それじゃあ・・・ここに書かれているわけか・・・」
と俺は聞く。
「そうだ。」
とデイビスは言うと2人はミイナのいる場所へ戻った。
・・・・
・・・・
帰ってきたころはほとんどミイナの意識がなかった。
「ミイナ!!」
と俺は叫ぶ
「大丈夫か・・・?」
と俺は聞くがもちろんミイナは反応しない
「オリジンパワーがここに居てくれたから手間が省けた。よかった」
とデイビスは言う。
「なぁ父さん・・・オリジンパワーについて少し聞かしてくれよ。」
と俺は聞く。
「そうだな・・話せるチャンスはここしかないかもしれないからな・・・ オリジンパワーはもちろん俺が見つけ出したということは知っているよな? でも、俺が見つけたオリジンパワーはガイア・アイルというやつだったんだ。俺がガイア・アイルと会った時はもうだいぶ老いていた。そしてそれから2年かけて、俺はガイア・アイルからオリジンパワーを使いお前らの力を作った。しかし、作っている最中にガイア・アイルは死んだ。オリジンパワーを継ぐ人を聞くことが出来ずに。そして俺はオリジンパワーからの力をいろんな種類に分けて人間に組み込ませることが出来た。そして約束通り育成をし将来にはイギリスのために戦争をできるようにもした。お前らが行っていた日本人学校は裏ではイギリスの育成学校とも呼ばれていたんだ。」
とデイビスは資料を読みながら言う。
そしてデイビスは初めて俺に向いて
「悪いが一つ隠していたことがあったんだ。 実はお前は実験での失敗作でもあるんだ・・・ それが理由になるのはテイクオーバーの事なんだ。」
とデイビスは真剣な顔をして俺に言う。
「し・・失敗作?」
と俺は聞く。
「そうなんだ・・・ 失敗と言っても他の人より優れた能力を持っているんだ。他の人は機会を使わないと能力値を上げることが出来ない。だがお前は自分の力で能力値を上げることができた。お前は今、テイクオーバーという命に危険な技が自然に出るほどの能力なんだ。」
とデイビスは言う。
「そうなのか・・・」
と俺は言うしかできなかった。
他にも言いたかった。なんで俺の実験をその時止めなかったのか?とか・・・でも今の俺じゃなかったらここにもいないしこんな生活も出来なかったんだ。と反面思っていた。
するとデイビスは
「よし、準備はできた。 後はお前に手伝ってもらうだけだ。」
という。
「よし、後は任せてくれ。」
と俺は自信を持っていったが。
「そうか・・・・それならば最後にもう一つだけ言わせてくれ。 この作業が終わればこの世の中からオリジンパワーと言われるものは消える・・・・そしてオリジンパワーを奪い合わない平和な暮らしが待っている。」
とデイビスは言う。
「えっ・・・ オリジンパワーがこの世の中から消える・・・・? ってことは・・・ミイナが死ぬ・・?」
と俺はすぐに思った。
-end-