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王子様、その人は××× (5)

「へえ・・・スーパーって初めてきた」


スーパーの駐車場に車が止まり、私が車を降りると


「オレも行く」


車を降りようと足を動かす彼の膝を押さえた


「私1人で行きます」


「やだ。一緒に行く。片山はここにいて」


剣崎漣・・・私の次兄は車から降りて私の肩に手を置いた


「利奈、行こうか?」


「メガネ返して」


兄の顔に手を伸ばすと手を握られてメガネをかけたまま見下ろされた


「オレの変装グッズだからダーメ。利奈はメガネなんか必要ないだろ」




スーパーが珍しくて買い物カゴに次々と品物を入れていくキラキラ王子様こと実兄の剣崎漣は買い物を満喫したようだった


「利奈、今日は母親いないんだろ?」


私が支払うと言ったのに兄様は自分で会計を済ませてご機嫌だった


「うん・・・」


「オレも利奈の作った料理食べるから。あ・・・兄貴も呼ぶか」


「え?史明兄様も!?」


「兄貴絶対喜ぶよ」


そう言うなり携帯をかけはじめた





ウチの2LDKのリビングに身長180センチは超えている大男が2人いると妙に狭く感じる


ソファーが小さくなったみたいに見える。


可哀想なソファーの上に1人は無駄に色気オーラを出した男ともう1人はクールビューティーなオーラを放っている男が座っている


正反対なこの人たちは剣崎コンツェルン会長の長男、剣崎史明と二男、剣崎漣。


私は剣崎コンツェルン会長の長女。元令嬢の松本利奈。



二人は私の大切な人だ。



「利奈の手料理が食べられるなんて幸せだな」


史兄様がにっこり笑いながら言うと


「手伝うよ」


漣兄様は張り切って腕まくりをする。


「急だったから簡単なものしか出来なかったよ?」


兄様たちは自分の家で常に専属シェフが作った料理を食べているので私の作った料理なんか物足りないだろうに・・・


「利奈が作るならお茶漬けだっていいよ」


私の考えが読めたのか史明兄様は優しい笑みを浮かべた


兄様達は食事を終えて、私の宿題を見ると私をお風呂に入らせて眠るまでそばにいてくれた。



次の朝目が覚めた時には一人だった。


やっぱりウチのリビングは狭くなんかないんだ。と寝起きでうまく働かない頭でぼんやりと思った




ねぇ、兄様



『今日は母親いないんだろ?』



そう言っていたけど、本当はママがずっと帰ってきていない事を知っていたんでしょう?




だから私が眠るまでそばにいてくれたのでしょう?




兄様達は昔から優しかった。





・・・でもね?私は大丈夫だよ・・・もう慣れちゃったんだ







一人の時の過ごし方も覚えたから大丈夫だよ・・・




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