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女ゴコロ  (2)

「利奈、まだ痛い?」


破けてしまったマメの隣にできているもう一つのマメをぷよぷよと押していると、香織が隣から覗き込んだ。


「昨日よりは痛くないよ」


お昼を食べるためにカフェテラスに向かっていると携帯が鳴った。


「ごめん、香織。先にお昼食べててくれる?」


「うん」


祐介に『時間のある時に電話して』とメールを入れておいた。

一度切れた電話にすぐ折り返すと、祐介はワンコールで電話に出てくれた


「ごめんね」


『なんかあったか?』


遠目に漣兄様と黎人がカフェテラスに来るのが見えたので、中庭に出てベンチに座った


「あったといえばあったような・・・昨日、様子のおかしい人から電話がきたよ」


私が言うと「ああ、あれ」と面倒くさそうな相槌が返ってきた。


『放っておけ』


「冷たくない?」


『周りが口出してなんとかなる話じゃないだろ』


確かにそうだけど、あれはすごく落ち込んでいるよ?


「雅樹に土曜日行くって約束しちゃった・・あははっ・・」


『あははじゃない!・・オレは行かないぞ。面倒くせぇ』


言うと思った・・・


「ねぇ、祐介?」


『・・・』


無視ですか


「ゆうすけくーん?」


『・・・んだよ』


スッゴいめんどくさそう


「お願い、一緒に来て?」


『やだ』


頑固者め


「お願い、ラーメン奢る!祐介の好きなあそこに行こう!」


『・・・・』


黙り込んでいるのは、葛藤しているから。とみた


「祐介、一緒にラーメン食べよ?」


『・・・しょうがないな』


やった!


「祐介ありがとう~!土曜日にいつものとこね」


『仕方ないから行ってやるよ』


本当は自分も雅樹が心配なくせに、素直じゃないんだから


「うん、ありがと。土曜日ね」


急いでカフェテラスに行ってお弁当を広げると香織と漣兄様達はランチを食べ始めていた。


「香織、土曜日に時間があったら買い物に付き合って欲しいの」


「うん、いいよ」


この前の電話は悔しいけど、雅樹の望み通り女心がわかる香織を連れて行ってあげよう。


「香織、ラーメン食べたことある?」


「ないよ・・行ってみたかったの」


「美味しいとこに連れて行ってあげるね」


「利奈とのデート楽しみ!」


男の人ってこういうのがいいんだろうな・・・雅樹の彼女もこんな感じかな?

写真でしか見たことのない雅樹の彼女を想像していると、黎人の携帯が鳴り着信画面を見ると露骨に嫌そうな顔をした。


「なに?」


嫌そうに、冷たい口調で電話に出る黎人。


「――ああ、当たり前だろ。学校だよ、学校・・・人をアシにするなよな。―――――はいはいわかった。終わったら行くよ」


そう言って電話を切った。その言い方冷たくない?



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