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王子様、その人は××× (1)

入学式はお金持ちの子弟が通う学校だからといって特段変わったことをするわけでもなく、普通の入学式だった。


次の日から1週間、オリエンテーションと称しての高等部の紹介や部活の紹介等に時間を費やされて

この学園内の日常という名の非常識を頭に刷り込んだ。


きっと私はこのきらきらした学校には卒業するまで馴染めないのではないのだろうか・・・・・


そんな私にも友達ができた。同じクラスの桐生香織ちゃん。


「り~な、お昼食べにいこ?」


お昼休みになると香織が私に声をかけてくれた


可愛い顔をした香織が小首を傾げて私の顔を覗き込む

私が男だったら惚れちゃうよ?可愛すぎ


香織は生粋のお嬢様なのに一般家庭の子供である私にも気さくに私に声をかける


「利奈のお弁当美味しそうだね」


お嬢様は毎日私が作ってくるお弁当に興味があるらしい。


「食べる?」


と聞くとにっこりと笑い「卵焼き食べたい!」と言った。


おいしいと言いながら上品に卵焼きを食べる。

彼女が食べている方が美味しそうに見えるのは私だけじゃないはず。


香織が食べているのはとても美味しそうな学食のランチだ

ランチセットだけで最低2000円からというふざけたメニューがずらりと並んでいる。学生食堂のレベルじゃない


私はこの学園には・・・相応しくない。お弁当を作ってくる生徒なんて私くらいしかいない。

場違いだ。自分でもわかっている。


何から何まで自分が置かれている環境とココは比べ物にならないくらい違う。




今の私には何もない




『きゃあ!』


『いらっしゃったわ!』


突然カフェテラスが騒がしくなった


「あぁ・・・学園の王子様が来たのね」


香織がぼそりと言ってお茶を一口飲んだ


『漣さま素敵!』


入学してから1日に何回その名前を聞くのだろう?名前を聞き、黄色い声を聴く。それが日常的に繰り返される、その人の名前・・



“剣崎 漣”



この学園のアイドル・王子様。彼を形容する言葉はいくつもある。


容姿端麗・頭脳明晰・たくさんのものを持っている彼は女子生徒のあこがれの的


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