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トモダチ (2)

3ON3は男子生徒2名に対して女子生徒1名でチームが組まれた。




―――――

 ――――――




「松本を押さえろ~!」


2年生の怒声が響いたけれど私はシュートを決めた。


「松本!」


同じチームの先輩とハイタッチをしたところでホイッスルが鳴った。

バスケ部の先輩がいたおかげで圧勝だった。


「りなぁ!格好良かったよ!」


香織が私に抱きついてきたからお返しに背中をポンポン、と叩いてあげる。

ふふっと可愛く笑う顔がとても可愛らしかった。


「ありがとう、香織」




授業が終わって教室に戻るとき、


「利奈!」


大きな声が私を呼び止めた。

誰?辺りを見回すと、背の高い集団が体育館の隅にいて私を呼んでいた。


「りーなー!」


もう一度呼ばれ背の高い集団で手を振っている人がいる。

目を凝らすとその集団は私が中学を卒業した学校の生徒達だった。


「ごめん、香織。友達が呼んでいるから先に行っていてくれる?」


「うん、わかった」


香織に手を振り集団に近寄ると懐かしい顔がいた。


「祐介!雅樹!」


クラスメイトだった九条祐介と中川雅樹が私に手を振っていた。


「利奈!久しぶりだな」


バスケ部に所属している2人は見上げる程大きい。

私が駆け寄ると私の髪をぐちゃぐちゃに撫でまわす。


「祐介も雅樹も久しぶりだね。今日は試合なの?」


「おう。・・・お前、見に来いよ」


祐介が言うと雅樹が


「お前には言いたい事が山ほどあんだよ。絶対に見に来い」


少し怖い顔をして言った。


私、登校拒否になったもんね・・・すごく心配かけたよね?


「うん、着替えてからまた来るね?」


「ああ、絶対来いよ」


私は2人に手を振って更衣室に向かった。




更衣室では念入りに化粧直しをしているクラスメイト。


ああ、もうすぐ漣兄様が来るんだっけ?


「利奈、せっかく可愛くしたのになんでぐちゃぐちゃになっているの?」


祐介と雅樹がぐちゃぐちゃにした私の髪の毛を見て、香織が頬を膨らませた。


「中学の友達にぐしゃぐしゃにされちゃったの。ごめんね?香織」


「またやってあげるね」


私は髪を解いてブラシでとかした。




「ホームルームが始まるから急ごう!」


私たちは走って教室に戻った。

襟元のリボンも結ばないままスカートのポケットに手を入れると体育の時に外していたネックレスが指に触れた。


教室に戻ると香織は聞いてきた。


「さっき体育館にいたのは翔慶学院の人達だよね」


私は髪を結びながら答えた。


「うん、バスケ部の人達だったよ。その中にクラスメイトがいたんだ。試合を見に行く約束したの」


「へぇ・・・翔慶学院はバスケットも強いもんね」


「上手い試合は見ていて楽しいからね」



ホームルームが終わると私は走って体育館に向かった。


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