偶然?それとも必然? (2)
アキト・・・あなたは私を見つけてどうするつもりなの?
「何がそんなに面白いのかわからない」
「お嬢様なんだな」
私の格好を見て目を細めた。
貴方だってあの学校に通っているということはお坊ちゃまなんじゃないの?
「一応ね・・・」
今だけは極上のお嬢様だ。剣崎家の一人娘として兄様に会いに行くのだから。
私の携帯が鳴った。
「ごめんなさい」
一言断ってメールを開くと史兄様から
『父さんも時間があいたから一緒に食事をしよう』
というメールが届いていて、私は返事を返した。
“楽しみ!”
すぐに返事がきた。
“佐々を迎えに行かせるから連絡して”
兄様が自分のSPを寄越してくれるんだ。早く連絡してやらなくては
「私・・・迎えが来るから行きます」
アキトは私をまっすぐに見つめていた。
「絶対に見つけるよ」
それは困るな。
「お願いだから捜さないで?」
怪訝な顔をした。
「リサ、どうしてそんなに拒む?」
その問いには答えずに
コーヒー代をテーブルに置いて席を立った。
「ごきげんよう」
店を出て兄様に電話をかけた。
『利奈?』
「兄様」
店の中からアキトが外にいる私を見ているのがわかった。
『場所を教えて』
久しぶりにパパに会った。相変わらず優しいパパ・・・
史兄様との買い物も楽しかった。
漣兄様へのプレゼントの相談もしたらパパからもっと自由にお金を使ってかまわない。と言われた。
私は庶民なんだよ?パパも兄様も・・・使っていいという金額の桁が違いすぎるんだよ。
夜間の外出禁止令が出てしまった私は時間を持て余していた。
日曜日は食料の買い出しをして本屋に行ったりして時間をつぶした。
パパにお願いして、スポーツジムに通おうかな・・・それなら漣兄様も許してくれるかもしれない。
漣兄様に聞いてみようと思い携帯に電話をした。
『・・・ちょっと待って、すぐかけ直す』
後ろで男の人達の声がして、電話を切るとすぐに電話がかかってきた。
「兄様?」
『利奈、どうした?』
優しい兄様の声。この声を聴くとホッとする。
「うん、あのねスポーツジムに通いたいなって思ってパパにお願いしようと思ったんだけど、漣兄様は反対?」
『反対じゃないけど、場所はこっちで選ぶよ・・・それから送り迎えは必ずつける』
想定内の返事に頷く。
「うん」
『じゃあ父さんにお願いしてみたら?・・・利奈、昨日黎人に会ったんだな』
思ってもみない問い掛けだった。
「うん、偶然に会ったの。学校が休みなのに知ってるんだね。兄様はあの先輩と仲がいいの?」
『ああ・・・今、黎人の家にいる。もうすぐ帰るから利奈のとこに寄る?』
「ありがとう、兄様。私なら大丈夫よ」