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アイツノサガシモノ (4)

もうその話はいいよ。この人に聞かれたくない。


「へぇ・・・黎人が女に興味をもつなんて珍しいな」


「この前クラブにいたんだよ・・・キレイだけど変な女だった」


人の事を、変だとか面白いとか、失礼な男だ。


「クラブ・・・ねぇ」


アキトは私を見て笑った。


「あ、松本利奈は真面目そうだからこんな話は刺激が強かったな」


「はは・・・」


笑うしかなかった。

もう、この場から消えたいよ・・・


「漣も見つけたら教えて」


「わかった」


「じゃあな・・・先に教室に行くよ」


この人も連れて行って!


アキトが出ていくと、漣兄様は体操着から制服に着替えながら私の前に立った。


妹の前とはいえ、上半身裸で目の前に立たないでください。

その均整のとれた体を見ると自分の貧弱な体が情けなくなってくる。


「リサって誰だ?」


私の首に掛かったネックレスを服の外に出した。


「スクールリングを2つ持っている女・・・オレにはお前以外にいないように思えるんだけど?」


怖い、怖いよ兄様。

いつものキラキラ王子はどうしたの?


「答えられないって事は?」


シャツのボタンを留めながら私を睨む。


「あのね、兄様・・・」


「今日、お前の家に泊まるから。洗いざらい話してもらう」


「え!?」


いきなりそうなるの!?


「兄貴も呼ぶ?」


それはダメ!無理!

ぶんぶん!と首を横に振った。


「放課後迎えに行くから教室から一歩も出るなよ」


うっ・・・怖い


放課後、王子に連行された。

王子に腕を引かれて歩く私は晒し者だよ・・・

でも、今はファンクラブよりも兄様が怖い。


「お帰りなさいませ、漣様、利奈様」


「片山、利奈の家に行って・・・オレ今日は泊まるから」


「承知致しました」


淡々とSPに用件を言う兄様は史兄様のように怖かった。



リサの理由、アキと出会った事を話すと漣兄様の眉間には深いシワが刻まれていた・・・


「利奈・・・お前、今日から夜間の外出禁止!マンションの裏口にもSPつけるから」


逆らってもムダなので一応素直に返事をしておいた。


「ごめんなさい」


兄様は大きなため息をついた。


「ったく・・・発信機つけるぞ」


それは勘弁してください・・・


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