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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

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異世界恋愛系 作品いろいろ

婚約者だから、と、いろんな思いがある中でも信じてきたのですが……。~裏切り者への優しさなど持ってはいないのです~

作者: 四季
掲載日:2026/08/08

「おはよう、マリア」

「あ、おはようございます、ロマンズさん」


 学園に通っていた頃に知り合った彼ロマンズは、一つ年上なのだが、私の婚約者だ。

 さらりとした茶色の髪が印象的な彼は、女性からの人気がそこそこ高い。学園時代も女子生徒たちから愛されていた。そして、学園を卒業した現在も、寄ってくる女性は数えきれない。

 それゆえ、少々複雑な思いをすることはあるけれど。

 でも、婚約したことは確かなことなのだから、と、彼を信じてここまで歩んできた。


 ……だが先日見てしまった。


 街の路地裏でロマンズが一人の女性といちゃついているところを。


 実際に見てしまっては我慢できない。

 そのためこっそり調査を開始。

 するとロマンズがリーリエという女性と深い仲であるという証拠がたくさん集まった。


 なので、そろそろ、切り込んでみるつもりでいる。


「ロマンズさん、実は、お話ししたいことがあるのですが……」

「話? 何だい? いいよ、付き合うよ」


 今から何を言われるのか。

 彼はまだ気づいていないようだ。


「浮気、なさってますよね」


 するとロマンズは突然青白い顔になり、引きつったような声で「な……何を、言い出すんだ!?」などとこぼす。


「もうすべて調査済みです」

「なっ……な、なっ……なな、な、なっ……何を言って……!? か、かか、か、勘違い、だ! 勘違いに違いないっ……だって、そんな、そんなことっ……!」


 ロマンズは分かりやすく冷静さを欠いていた。

 ということは、やはり、浮気している自覚はあったということなのだろう。

 気づいていなかったのならもっと堂々としているはずだから。


「リーリエさん、という方がお相手ですよね」

「どっ、どど、どうして!? リーリエのことを!?

……って、違うっ! そうじゃないっ! リーリエは、リーリエは違うんだ! 彼女は確かに可憐で魅力的だが……で、でも! でででっ、でも! そういう関係じゃない!」

「先日も路地裏でいちゃついていたではないですか」

「勘違いだ! そんなの、見間違いか何かだろう! ……と、いうか、だな! 証拠もないのになんということを言うんだ! 浮気を疑うなら、まず、証拠を出せよ!」


 そんなことを言ってきたので。


「はい、こちらです」


 集めた証拠を彼の前に出す。


「短期間でこれだけの証拠が集まりました」

「なっ……」

「それでもまだ浮気ではないと仰るのでしょうか」


 そこまで言うと、彼はようやく自身の悪しき行いを認めた。


「ということで、婚約は破棄とします」

「ま、待ってくれ! それは! そそそ、それはっ……こ、こまっ、こっこっここっ、困る! 婚約破棄は駄目だっ、困る!」

「では、この後は第三者を挟んで」

「婚約破棄だけは、やめてくれええええ!!」


 ロマンズとの婚約は破棄。慰謝料は二人ともからしっかりと取った。裏切りの罪をせめて金銭面でだけでも償ってもらい、関係はそのまま終わらせた。


 裏切り者と生涯を共にするなど不可能だ。



 ◆



 あれから三年半。

 私は今、ハーブティーマニアの男性と結婚し、ハーブティーを楽しむ日々を過ごしている。


 彼はいろんなハーブティーを紹介してくれる。

 私はそういったことにあまり詳しくなかったのだけれど、彼と過ごすうちに段々知識がついてきて、今に至っている。


 彼と過ごす日々は、穏やかで、楽しい。


 ちなみにロマンズとリーリエはというと、あの後お金の貸し借りのことで揉め破局したようだ。

 何でも、ロマンズがリーリエに遊ぶお金をたびたび借りていたそうで、それを「貰ったと思っていた。だから返さなかった。そういう理解だったので、この先も返すつもりはない」などと言ったことで大喧嘩となったようである。


 それは当たり前……。

 借りたものは返すべき……。


 その後、激怒したリーリエの親が出てきたことでロマンズは渋々返済し始めたそうだが、返済し始めて一ヶ月も経たないある日彼は謎の死を遂げたそう。

 で、残った分はロマンズの親が返済したそうだ。

 ロマンズとの縁により思わぬ災難に見舞われたリーリエだったが、彼女にはその後も幾つもの災難が襲いかかったようで、結局あまり幸せにはなれなかったようだ。



◆終わり◆

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