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宝珠

「それで、お主らはどうじゃった?」

「私はまだ見てないんだ! というわけでみんなで見よう!」


―――――――――――――――――――――

〈名前〉サタナ・クライ 

〈種族〉人族        

〈属性〉天    

〈レベル〉33      

〈ミンラ〉ステータスを閲覧できる  

〈職業〉ドラゴンライダー

〈能力値〉体131・力94・守80+8

     速139・知244+31・運167  

―――――――――――――――――――――


「こ… これまたすごい成長率じゃな…

 あと数レベルも上げれば儂に知も追いつくのではないか…?」

「これは上げすぎってやつかな…?」

「次は私です!」


―――――――――――――――――――――

〈名前〉ナルディ・ロフ        

〈種族〉赤龍族            

〈属性〉地              

〈レベル〉51           

〈ミンラ〉全ての生き物と      

     コミュニケーションがとれる

〈職業〉――            

〈能力値〉体239・力260・守208

     速214+63・知161・運179 

―――――――――――――――――――――


「これまたすごいですね…」

「流石は龍族のステータスってところじゃな… 

 欠けているところがほぼないのじゃ…」

「さっすがナルディ!」

「次は儂じゃな!」


―――――――――――――――――――――

〈名前〉サリ・ドラン

〈種族〉魔女族

〈属性〉炎

〈レベル〉65

〈ミンラ〉炎の上級魔法を操る

〈職業〉――

〈能力値〉体377・力61・守50

     速53・知531+82・運199

―――――――――――――――――――――


「本当にサリ様のステータスはいつ見ても極端ですね」

「本当に儂もそう思うのじゃ、知と守の差が481もあるのじゃ」

「これが魔術師…」

「「絶対にこれが普通ではないと思います」」


ナルディとメギルさんに口をそろえて言われてしまった


「では、最後に僕ですね!」


―――――――――――――――――――――

〈名前〉メギル・カニス

〈種族〉エルフ族

〈属性〉風

〈レベル〉39

〈ミンラ〉風の中級剣技を扱う 

〈職業〉魔物研究員

〈能力値〉体139・力288+72・守196+38

     速110・知157・運43

―――――――――――――――――――――


「相変わらずの運の低さじゃな…」

「でも15レベル上がって運は28上がっているので

 上がり幅は前より増えています!」

「それでいいの…?」

「して、これで足してどうなるんじゃ?」

「えっと… 33、51、65、39だから… 188!」

「つまり平均は47ですね」

「これでもギリギリなんじゃな…」

「でもレベルチェックはこれで越せますね!」


改めてみんなのレベルを並べると自分が足を引っ張っているんじゃないかと

そう思ってしまい笑っているみんなと一緒に笑うことができなかった


「サタナ様… どうかされましたか…?」

「え!? な… なんでもないよ!」

「なんでもなくないですよ! なんでもなかったらどうしてそんな顔を…」

「サタナ!? そんなに青ざめてどうしたんじゃ!?」

「体調がすぐれないなら少し休憩に…」

「大丈夫だって…! 少し疲れただけだからすぐ元に戻るよ!」

「そうですか…? そこまで言うなら…」

「本当に大丈夫なんじゃな?」

「うん!」

「わかったのじゃ、それで話なんじゃが…」

「なになに!?」

「食い気味じゃな、そんなに面白い話じゃないのじゃ

 折角だし宝珠の方を見ていきたいというだけじゃ」

「宝珠って森の奥の方にあったって本に書いてあったやつ?」

「そうじゃ!」

「いいね! 行ってみよう!」


そう私が返事する前にサリさんは既に歩を進めていた


「早い早い! 場所分かってるの!?」

「多分大丈夫じゃ!」

「多分って…」

「不安です…」


サリさんに連れられてどんどんと奥の方に進んでいくと

森の至る所に遺跡群が見られるようになっていった


「これは…」

「宝珠があるのは恐らくこの一番大きな遺跡じゃろうな」


森の最奥にはなぜ今まで見えなかったのか不思議なほど大きな遺跡が在った


「行かなきゃダメ…?」

「そりゃそうじゃろ! ここまで来て入らないわけにはいかんじゃろ!」

「レベルが上がった力を試すにはちょうど良さそうですね…!」

「僕もそう思います」

「意外とみんなノリノリ!?」

「さぁ行くのじゃ!」


意気揚々のサリさんを先頭に遺跡内に入っていったが通路は一本しかなく

しかもその通路には魔物がいなければ罠もある気配もなかった


「期待外れじゃな… 何もないのじゃ」

「私はこれでいいよ!」


急に歩みが遅くなったサリさんを何とか押しながら奥の部屋まで進む

たどり着いた奥の部屋には自分の身長ほどはある宝珠が鎮座していた


「わ… 私でもわかるくらいの凄いマナ量…!」

「このマナ量をガラべドロが何回も蓄えていたと考えれば…」

「あれだけの強さも頷けるのじゃ」


目の前の宝珠に慄いているとドシーンと遺跡内に鳴り響くほどの

大きな音を立てて目の間に何かが着地した


「メ… メガ金スライムです!」


―――――――――――――――――――――

〈名前〉メガ金スライム

〈種族〉スライム族

〈属性〉天

〈レベル〉77

〈ミンラ〉天属性の中級魔法を操る

〈職業〉――

〈能力値〉体277・力77・守77

     速177・知277・運277

―――――――――――――――――――――


「これでもかと言わんばかりに運がよさそうなステータスをしてるね…」

「なんじゃこのバカげたステータスは…」

「言ってる場合じゃないですよ! 相手は天属性…

 私たちの弱点を必ず付いてきます!」

「でも逆に私たちの攻撃も全部弱点のはず! いけるよ!」


『メガ金スライムが現れた!』

『メガ金スライムの中天魔法(ミルイルエ)

 サタナに99ダメージ!』


「天に天は流石に普通なんだね」

「そうなんじゃな… じゃないのじゃ! イデガラーム!」


サリさんが狭い部屋の中で手を上に突き上げて火球を作り出す


「なんか… 違う!」


いつもは真っ赤な火球はどこからともなく表れた白色の光と混じって

白炎となりメガ金スライムに向かって飛んで行った


『サリの●炎魔法(●●●●●●●)

 弱点!メガ金スライムに401ダメージ!

 メガ天は倒れた!』

『サリのレベルが上がった!』


「す… 凄い…!」

「サリ様… 今のは…」

「わ、分からん… ただはっきりとわかるのは…

 今のは『イデガラームではない』ということじゃ…!」

「『イデガラームじゃない』って…」

「そのままの意味じゃ、お主も見たじゃろ? あの白い火球を…」

「うん、まるで天属性の光みたいだった…!」

「私の見間違えでなければ奥の宝珠から溢れたマナが

 サリ様… いえ、火球に取り込まれていくように見えました」

「天属性の特徴にそんなものがあったということですかね…?」

「よくわからないけど… あそこのマナは回収しておいた方がいいかな?」

「まぁそうじゃな、メギルとサタナで山分けしておくが良い」

「いいの!?」

「当り前じゃ、マナの保有量が増えればレベルも上がるからの

 お主たちに渡すのが賢明じゃ」

「そうなんだ… じゃあ遠慮なく!」


メギルさんと奥の宝珠の元に近づく


「サタナさん…」

「ん?」

「この膨大なマナを僕と山分けなどしてよいのですか…?」

「どういう意味?」

「所詮僕は赤の他人です…

そんな僕にマナを分け与えてもよいのかという意味です

マナはお金や財宝よりも価値が高いんですよ!?」

「うーん、本当はよく考えるべきなんだろうけど…

 私はみんなのことを家族だと思ってるから特に躊躇いはないよ?」

「そうじゃそうじゃ! メギル、いつからそんなお主は卑屈になったのじゃ!」

「サタナさん… サリさん… 変なこと言ってごめんなさい!」

「うん! それじゃあ…」


改めて宝珠に向き直り2人で触れてみると

宝珠は光り輝きだし手を伝って体にマナが流れてくるのを感じた


『メギルのレベルが上がった!』


「メギル様のレベルが上がったのは聞こえましたが…」

「サタナさんのレベルが上がってないです…?」

「なぜじゃ…? サタナのマナ保有量は確実に増えているはずじゃのに…」

「なんでだろ… マナが回収できていないってことではないんだよね?」

「サタナ様! 腰元が…!」


ナルディが指さす先で腰元のポーチが光り輝いていた


「な… 何事!?」


慌ててポーチから輝きの正体を取り出すと

それは魔導書(ルッサラーナ)だった


魔導書(ルッサラーナ)が強化されました』

―――――――――――――――

〈名前〉ルッサラーナ

〈武器種〉魔導書     

〈品質〉優     

〈能力値〉+知31  

〈効果〉天の上級魔法の使用  

―――――――――――――――


「聞き間違えではなければ『強化』とか聞こえたのですが…」

「なんじゃ? マナを取り込んで能力値でも上がったのかの?」

「ううん、能力値は何も変わってないよ」

「じゃあ何が…」

「効果が… 『天の上級魔法の使用』に変わってる!」

「な… なんということじゃ…!」

「いったいあのマナはなんなんですか!?」

「分からんのじゃ… ガラべドロに献上するだけあって

 相当強力なマナなことは分かっておったが…」

「それだけじゃ片づけられなさそうだね…」

「余計ややこしい事態になったの…」


挿絵(By みてみん)


地図→https://www.pixiv.net/artworks/111988556

次回は9月30日です

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