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洞窟

窓から差し込む日差しで目が覚める


「ん… ここは…」


見慣れない天井と見慣れない風景に一瞬戸惑ったが

現状をようやく思い出した


「お寝坊サタナがようやく起きたのじゃ」

「おはようございますサタナ様!」

「おはよう… 2人とも… 朝早いんだね」

「当たり前なのじゃ! 何せもう出発するからの!」

「ぅえ!? もう!?」

「はい、サリ様の提案で

 早いうちに出ないともし洞窟探索が夜遅くまで難航してしまった場合

 魔物がさらに強くなってしまう危険があるとのことで…」

「それなら早く起こしてよ!」

「出来ません! サタナ様のお休みを妨げるなど!」

「って言ってきかないから待つしかなかったんじゃよ…

 この従者ちとお主に甘すぎないかの?」

「あはは…」


サリさんの痛い視線を浴びながら急いで準備を済ませる


「よし、それでは出発じゃ! ルフドイ!」

「やっぱりそれなんだね…」

「まぁ便利だからいいじゃないですか?」

「良いんだけど旅っぽく無いからさ…」

「なんじゃ? サタナだけ歩くかの?」

「いや、連れて行ってくださいお願いします!」


『サリのルフドイ!

 サリの隠れ家→クスロ平原東』


なんだかんだ初めて降り立つクスロ平原東は西より広く

吹いている風は西よりも少しだけ暖かかった


「そういえば東側に降り立つのは初めてでしたね」

「だね、同じクスロ平原でも西といろいろ違うんだね」

「それより… あれじゃな?」


平原の真ん中には大きな穴が口を開いていた

クスロ平原は魔物がいないことで有名なはずなのに

その洞窟の入り口付近には魔物が闊歩していた


「うーむ… 厄介なものもいたもんじゃな…」

「ですね…」

「そうなの?」

「はい、あそこに見えているのは恐らくアンデット族です…」


――――――――――――――――――――

〈名前〉水の骸骨剣士       

〈種族〉アンデット族            

〈属性〉水              

〈レベル〉18            

〈ミンラ〉水の初級剣技を扱う

〈職業〉――            

〈能力値〉体81・力75・守61

     速13・知18・運19 

――――――――――――――――――――


人族の骨に鎧をまとい剣を持った魔物は入口近くに5体確認できた


「体力高っ!?」

「はい、アンデット族は体、力、守が異常に高いのが特徴で

 倒すのが困難な種族の1つなんです…」

「そうじゃな、あの数を相手するのはなかなか骨が折れるの…」

「一旦私に任せて! ガメドイ! ガメル!」


『サタナのガメドイ!

 サタナの周りにバリアが現れた』

『サタナのガメル!

 サタナの周りのバリアは鉄を帯びた』


『水の骸骨剣士、風の骸骨弓士が現れた!』

『水の骸骨剣士の初水剣技(トルケー斬)

 弱点!サタナに8ダメージ!』

『サタナの中天魔法(ミルイルエ)

 弱点!水の骸骨剣士に59ダメージ!』

『風の骸骨弓士の初風弓技(ルフトロショット)

 弱点!サタナに7ダメージ!』


「2対1だなんて卑怯ですよ!」

「魔物に言ってもどうしようもないじゃろ…」

「ちょっと行ってきます!」

「行ってらっしゃいなのじゃ」


あまり得意ではない1対多数に苦戦していると

ナルディがこちらに向かってきているのに気が付いた


「ナルディ!?」

「サタナ様こちらの弓士は私が請け負います!」


『ナルディの初鉄息吹(ガメルブレス)

 弱点!風の骸骨弓士に61ダメージ!

 風の骸骨弓士は倒れた!』


「あ、あれ…? 一撃で倒れてしまいました…?」

「弓士は基本的には後ろからちまちま攻撃するからの

 体力が少なくて当たり前じゃ」

「流石ナルディ… 負けてられないね! ミルイルエ!」


『サタナの中天魔法(ミルイルエ)

 弱点!水の骸骨剣士に62ダメージ!

 水の骸骨剣士は倒れた!』


「やはり体力は高いですね…」

「じゃな、というわけじゃから…」


そう言いながら徐にクロ―デアを取り出す


「儂の出番じゃな!」

「イデガランまでだよ!」

「むぅ… 分かったのじゃ… イデガラン!」


『水の骸骨剣士A,B、地の骸骨魔導士が現れた!』

『サリの中炎魔法(イデガラン)

 中炎魔法(イデガラン)は暴発した!

 水の骸骨剣士達に平均94ダメージ!

 水の骸骨剣士A,B、地の骸骨魔導士は倒れた!』


「え… え?」

「何もさせずに吹き飛ばしました…」


サリさんが魔法を撃った場所には何も残っていなかった

文字通り全てが消し炭にされていた


「たまたま魔法が暴発しただけじゃ!」

「暴発?」

「たまにマナが集まりすぎて普段よりもダメージが高くなる現象の事です」

「そんなことがあるんだ…」

「2人とも早う来るのじゃ! 時は待ってくれぬぞ!」

「あ、待って!」


〈クスロ平原〉

 ↓

〈クスロ洞窟〉


口を開いていた縦穴はかなり深く底を見ることが出来なかった


「仕方ない… 足場を探しながら下っていくしかないじゃろうな…」


サリさんを先頭に足場を探しながら慎重に下っていく


「サタナ様お気を付けください」

「うん!」

「底に着いたのじゃ!」


凄い速さで下って行ったサリさんはかなり下の方でそう叫んで松明をつける


「意外と深いんだね… あっ…!」


踏んだ部分が運悪く崩れ体が宙に舞う


「サタナ様…!」


ナルディがそう手を伸ばすが既に私の体は落下を始めていた


「サタナ! 下に向けてルフトを使うのじゃ!」

「え? ル… ルフト!」


サリさんに言われた通り落下しながら下に向けてルフトを放つ

風は自分の体をふわっと舞わせなんとか低衝撃で穴底に降り立つ


「た… 助かった…」

「ごめんなさい…! 私がちゃんとつかめていれば…」

「気にしないで! むしろ縦穴を降りてるんだからつかむ方が無理な話だよ」

「じゃな… っと、サタナ下がっておるのじゃ! イデガラン!」


『サリの中炎魔法(イデガラン)

 地の洞窟蜘蛛に51ダメージ!

 地の洞窟蜘蛛は倒れた!』


「いつの間に!?」


サリさんのイデガランは洞窟蜘蛛を焼き払うと同時に洞窟の側面に当たる

その振動は洞窟を揺らし天井から石や岩がパラパラと落ちてくる


「サ… サリさんは攻撃禁止!」

「その方が良さそうじゃな… サタナ、ナルディ頼んだのじゃ」

「うん!」

「はい! お任せください!」


しばらくは洞窟蜘蛛や洞窟蛇に絡まれつつも特に問題なく進むことが出来た


「これって…」

「分かれ道… ですね」

「ふむ、どうしたもんじゃ」


挿絵(By みてみん)


地図→https://ncode.syosetu.com/n7509if/26/

次回は8月19日です

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