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作成

「戻ったのじゃ! おぉ随分綺麗になったの、ありがとうなのじゃ」

「おかえり! ブレスはどうだった?」

「平均して魔法の2倍ほどは出ていたのじゃ

 やはりステータスはきちんと見るべきじゃな」

「そういうわけでしたので武器はブレス強化の方針で決まったのですが…」

「材料が無くっての…」

「材料…」

「首飾りを作るには元の首飾りと魔石がいるんじゃが…」

「魔石が無いの?」

「いや、そっちは大丈夫じゃ」

「じゃあ首飾りの方? それならケミシラ大通りに売ってなかった?」

「いやじゃ!」

「え?」

「ナルディの武器じゃぞ!?

 そんな市販品を使うなんぞ儂のプライドが許さぬ!」

「サリ様!? 私はそういうので大丈夫ですよ…!?」

「黙るのじゃ! サタナ、錬金じゃ!」

「うん! …錬金って何?」

「私から改めて説明しましょう

 リウクスの工業は主に『生成、錬金、合成』に分かれています

 『生成』は自然で取れる素材から新しいものを生み出すこと

 『錬金』は生成で作った物同士を使って新しいものを作ること

 『合成』は錬金で作った物同士を使って主の物を強化すること

 例えるなら生成で鉄鉱石から純鉄を作り、錬金で純鉄から剣を作り

 最後に合成で剣と杖を使って剣を強化するという感じです」

「うむ、説明ありがとうなのじゃ!」

「つまり私にやれって言ってるのは

 真ん中の鉄から剣を作り出すところってころ?」

「うむ、そういうことじゃ」

「私やったことないし、サリさんがやればいいんじゃ…?」

「主のサタナが作るべきじゃ!」

「わ… 私もサタナ様に作ってもらいたいです… だめですか?」

「うっ…」


ナルディに上目遣いでお願いされ断れずにそのまま作る流れになった


「でもやり方知らないよ?」

「合成ほどは難しくないから安心するが良い!

 まずは釜に素材を入れるじゃろ?」

「こっち?」

「こっちじゃ、そっちは生成用の釜じゃ」


当り前じゃろと言わんばかりにジト目で

隣のほぼほぼ同じ見た目の釜を指さした


「全く一緒じゃん… まぁいいやそれで次は?」

「あとは錬金魔法を使って釜にマナを注ぐだけじゃ

 先にあげてくれた3つの中で唯一魔法を使うから

 錬金術師は魔術師が多いんじゃ」

「だからサリ様もできるのですね」

「そういうことじゃ!」

「本当に何でもできるんだね、もはや驚かない自分がいる…」

「私もです…」

「そういえば、その魔法はどう使うの?」

「錬金魔法とは言うても結局はマナを釜の中に流すだけじゃ

 まぁやってみるのじゃ!」

「う… うん?」


サリさんの雑な説明を聞き終えた私は

液体の入った錬金釜にサリさんから受け取った金属を放り込む


「今のって神鉱石では…!?」

「あれくらいの鉱石気にするほどじゃないじゃろ」

「あれくらいじゃないですよ!」


サリさんとナルディが何やら口論を始めてしまった


「何やってるの…? まぁいいや、えっとマナを少しずつ…」


マナを釜の中に少しずつ込めていくと、錬金釜の中身が突然光り輝きだした


「サタナ! 混ぜるのじゃ!」

「えぇ!? 聞いてないよ!」


サリさんから自分の身長と同じかそれ以上の大きな棒を手渡された


「かき混ぜるときにしっかりと完成図を思い浮かべるのじゃぞ!

 ここでちゃんと想像しないと豪いものが完成することになるのじゃ!

「えぇ!? わかった…!」


受け取った棒でかき混ぜていくと釜の中の光はさらに増していった


「眩しい…!」

「かき混ぜる手を止めてはならんのじゃ!」

「うん!」


しばらくかき混ぜて光が収まると

錬金釜の中の液体はいつの間にかなくなっており中には首飾りだけがあった


「完成…?」

「見せてみるのじゃ!」


そう言ってサリさんは錬金釜の中に手を伸ばしそうと

錬金釜のふちに体を預けて足を宙でバタバタしていた


「取れないのじゃ! ナルディ取ってほしいのじゃ!」

「分かりました!」

「今までどうやって取ってたの…?」

「そもそもこんな小さいものを作るのが初めてじゃ」

「なるほどね」


ナルディが錬金釜の中から首飾りを取り出す

完成した首飾りは神鉱石の虹色に輝いており

中央には魔石をはめ込むであろうひし形の形に穴が開いていた

よくよく首飾りを見るとひし形の穴の周りには

小さな白色の石が数個散りばめられていた


「サリさん… これってもしかして…」

「天の魔石じゃな…!」


『閲覧可能ステータスに〈属性〉が追加されました』

―――――――――――――――

〈名前〉――  

〈武器種〉首飾り 

〈属性〉天   

〈品質〉特 

〈能力値〉+速51  

〈効果〉―― 

―――――――――――――――


「サリさん、この首飾りの属性が天ってなってるんだけど…」

「まぁ武器の属性は基本作成者から引き継がれるからの

 ナルディの武器を作る場合は地属性の者に作らせるべきなんじゃが

 まぁ天なら問題ないじゃろ」

「そっか…?」

「そんなことより仕上げじゃ!」


そう言って奥の戸棚の方に走っていったかと思えば

手のひら大の茶色の魔石を取り出して持ってきた


「ブレスなのに魔石を使うの?」

「何を言うておるのじゃ?

 攻撃手段が何であれ魔石はあった方が良いのじゃぞ?」

「私たちの攻撃手段は全て守護神らの力の上に成り立っているのですから

 どの攻撃を使う場合でもマナは必須です

 つまりマナを効率的集められる魔石はどんな武器であれ重宝されます」

「そっか、名前だけで見てたから魔法専用の物なのかと思ってた…」

「まぁ分からんでもないのじゃがな…

 っと、よし付けれたのじゃ! 後は名付けだけじゃぞナルディ!」

「はい! 準備はできています!

 我が首飾りよ、今からお前の名はレイア! 我が力となり我を助けよ!」


そうナルディが言うと首飾りは光りながら変化を始めた

虹色首飾りの紐部分には地の魔石が一直線に並んで線を成し

元々ただのひし形だった中央の地の魔石は龍の頭の形となった


―――――――――――――――

〈名前〉レイア 

〈武器種〉首飾り 

〈属性〉天   

〈品質〉特             

〈能力値〉+速63 

〈効果〉ブレスの威力上昇・中

―――――――――――――――


「えへへ… 守護龍様の名前から持ってきてしまいました…!」

「この従者にこの主人ありじゃな…」

「あはは… それよりも地の魔石の形ものすごくかっこいい!」

「儂も形そのものが変わるのは久しぶりに見たのじゃ…」

「そうなんですね… 私が守護龍様の名前を付けたからでしょうか…?」

「わからんが… 一旦置いておいて、早速外に行くのじゃ!」

「はい!」


〈サリの隠れ家〉

 ↓

〈水国東〉


サリさんに連れられて再び強風の中に戻ってきた


「やっぱりこの風厳しい…」

「お、あいつなんてどうじゃ?」


――――――――――――――――――――

〈名前〉ウィンドバード

〈種族〉鳥族    

〈属性〉風        

〈レベル〉16  

〈ミンラ〉水の中級弓技を扱う  

〈職業〉――      

〈能力値〉体42・力36・守41

     速62・知24・運29      

――――――――――――――――――――


サリさんが指さす先ではウィンドバードが群れをなして飛んでいた

彼らは好戦的なので羽を持っているのにも関わらず

戦いを仕掛けても滅多に逃げられないことで有名だ


「ウィンドバードですか…! 大丈夫です!」

「群れなのに大丈夫なの…!?」

「まぁ見ているんじゃ!」


――――――――――――――――――――

〈名前〉ナルディ・ロフ        

〈種族〉赤龍族            

〈属性〉地              

〈レベル〉38             

〈ミンラ〉全ての生き物と      

コミュニケーションがとれる

〈職業〉――            

〈能力値〉体108・力143・守70

     速75+63・知53・運50 

――――――――――――――――――――


『ウィンドバードA,B,C,D,Eが現れた!』

『ウィンドバードA,B,Cの攻撃!

ナルディに11、14、9のダメージ!』


「ナルディ… 大丈夫かな…?」

「ナルディは龍族じゃ、そんじょそこらの魔物に負けるはずなかろう」

「うん、そうだね!」


『ウィンドバードD,Eの中水弓技(トルケームショット)

 ナルディに21、17のダメージ!』


「今じゃ!」

「はい!」


『ナルディの全鉄息吹(ガメルブレス)

 弱点!ウィンドバード達に平均69のダメージ!

 ウィンドバードA,B,C,D,Eは倒れた!』

『ナルディのレベルが上がった!』


――――――――――――――――――――

〈名前〉ナルディ・ロフ        

〈種族〉赤龍族            

〈属性〉地              

〈レベル〉40             

〈ミンラ〉全ての生き物と      

コミュニケーションがとれる

〈職業〉――            

〈能力値〉体128・力155・守82

     速87+63・知73・運61 

――――――――――――――――――――


「や… やりました!」

「流石ナルディじゃな!」

「うんうん! あ! ナルディのレベルが40になってる!」

「おぉ、遂に40じゃの! おめでとうなのじゃ!」

「あいがとうございます! それでは早速クスロ洞窟まで行きましょう!」

「そういえばそんなのあったね、忘れてた…」

「忘れないでください!?」

「そうしたいところじゃが、流石にもう陽が沈む頃じゃ

 とっとと帰って儂の家で一晩過ごそうかの」


サリさんはそう言ったかと思えばさっさと来た道を戻っていく


「ま… 待ってよー!」

「待って下さーい!」


〈水国東〉

 ↓

〈サリの隠れ家〉


挿絵(By みてみん)


地図→https://www.pixiv.net/artworks/110765307

次回は8月13日です

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