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名前

魔導書は光り輝きながらページがどんどんと捲られていく


「触ってないのにページが捲られてる!?」

「こいつがサタナの力を図っているんすよ

 ページが捲られ切ったときに結果が出るっす」

「そうなの?」

「表紙に埋め込まれてる魔石の光具合で認めたか否かが分かるんじゃよ」


ゴーボアさんが説明している途中に魔導書のページが完全に捲られ切り

表紙に戻って、光が収まったかと思えば

今度は表紙に埋め込まれた魔石が強く輝きだした


「これは…! 通常の認めた時よりも強い輝きっす!

 一体サタナは何者なんっすか…!?」

「やっぱりそうじゃろう!?

 儂の思った通りサタナには魔術師のセンスがあるんじゃ!」

「サタナはどうっすか? こいつで良いっすか?」

「ゴーボアさん! 私もこの子がいい!」

「よし! じゃあ、合成を始めてしまうっすね!」


ゴーボアさんはクロ―デアの時と同じ手順で手際よく

魔導書とナイフの合成を進めていく

それを眺めながらサリさんが口を開く


「サタナが認められて儂も嬉しいんじゃが…

 やはり同じ魔術師としては悔しいの…」

「サリの姉貴は魔導書だけには好かれなかったっすからね!」

「黙るのじゃ!」


サリさんは頬を膨らましながらゴーボアさんを小突いた


―――――――――――――――

〈名前〉――  

〈武器種〉魔導書     

〈品質〉優  

〈能力値〉+知26  

〈効果〉――  

―――――――――――――――


「できたっす! 後はこいつに名づけをしたときに反応があれば成功っす!」

「本当に私で大丈夫なのかな…」

「心配はいらないと思うっす、魔導書があれだけの反応するのは

 なかなか見られるものじゃないっす!」

「そっか! じゃあ… あっ!?」

「何事じゃ?」

「名前決めてなかった…」

「名前… 難しいですね…」

「そうだ! サリさんはどうやってクロ―デアって名前を付けたの?」

「クロ―デアか? この名は儂の師、クラウディオ先生から付けたんじゃ」

「人の名前から取ったんだね… よし! 決めた!」

「じゃあこの通りに言うっす!」


そう言って呪文の書かれた紙を渡してくれた


「分かった! えぇと…

 我が書よ、今からお前の名はルッサラーナ! 我が力となり我を助けよ!」


言い終わると魔導書は輝きだした

光が収まると本の真ん中に埋め込まれていた透明な魔石は真っ白に変化し

金の縁取りがされた豪華なものに変化し

クロ―デアと同様にマナの量が格段に増えたのを感じた


「できた…!」


―――――――――――――――

〈名前〉ルッサラーナ

〈武器種〉魔導書     

〈品質〉優     

〈能力値〉+知31  

〈効果〉天の中級魔法の使用  

―――――――――――――――


「よろしくね! ルッサラーナ!」

「こ… これは…!」

「やっぱりそうっすよね…? サリの姉貴…!」

「紛れもない! これは天の魔石じゃ!」

「天の魔石ですか!?」

「それってそんなにすごいの…?」


いまいち凄さが分からなかったのでそんな疑問を漏らすと

3人は私のほうにずいっと詰め寄り興奮状態で話始めた


「すごいもすごいっすよ!?

 天の魔石はその名の通り天国でしか取れない魔石なんっすよ!」

「天国落下後は全く見つからなかった超貴重なものです!」

「この魔石は天属性の魔法を強化するだけじゃなくて

 全ての魔法を強化する代物なんじゃぞ!」

「へぇ… これってそんなにすごいんだ…」

「「「当り前です(じゃ)!」」」

「ふぅ… ちと興奮しすぎたの…

 それで、サタナのミンラには効果はなんと映っておるのじゃ?」

「えっと… 『天の中級魔法の使用』って書いてあるよ」

「薄々思っておったのじゃが、お主ただ者ではないのじゃな?

 天属性の魔法なぞ天国落下以来記述がほとんどないものじゃぞ?」

「サタナ様… あなた様はいったい…?」

「ただの地国から来た冒険者だよ!?」

「まぁ、一旦おいて置くっす… そういえば名前はどこから来たんっすか?」

「天心様のお名前!」

「ふむ… 天神、サカルリパライニカタ・ルサソレーナ…

 何でそんな名前を付けたんじゃ? あの神戦を起こした天神じゃ

 差別されかねん名前じゃが…」

「私の目標の天国にちなんだ名前を付けたいなって思って

 天神様の名前を考えたんだけど… 『サカルリパライニカタ』の方が

 重要そうだと思ったから『ルサソレーナ』の方を文字ったんだ」

「その… 一応言っておくとじゃな…

『ルサソレーナ』の方が重要なんじゃぞ?」

「そうなの!?」

「はい、神様の名前は最初に本名、次に神名が付きます

 簡単に言うなら神名は神の世代が変わっても使われる

 いわゆる私たちの苗字のようなものなのでそちらの方が重要視されますね」

「えぇ… やっちゃった…!」

「今さら後悔しても遅い、ほれ最終チェックと行くのじゃ!」

「チェック?」

「武器を変えた直後は攻撃のコントロールがかなり難しいっす

 特にサタナは武器種から変えたっすから…

かなり攻撃の勝手が変わっていると思うっす」

「そうなの?」

「そうじゃ、儂も元の武器は片手杖じゃったのだが両手杖に変えた時

 体のバランスから魔法の撃ち方まで全く異なるもんじゃから

 大変だったのをよく覚えているのじゃ…」

「そっか… 練習頑張らないと!」

「頑張りましょう! サタナ様!」

「それじゃあ、付いてくるっす!」


そう言ってゴーボアさんはさっさと工房を出て行ってしまった


「え?」


〈ゴーボア工房〉

 ↓

〈水国西〉


工房を出てケミシラを出て私たちは水国西までやってきた

戦闘を歩いていたサリさんとゴーボアさんが突然止まったかと思えば

くるっと振り返って説明を始めた


「チェックには実践が一番じゃからの!」

「そういうことっす!」

「そういうこと… 別に隠す必要もなかったんじゃ?」

「つべこべ言わずにあそこにいる水スライムを倒してくるんじゃ!」

「うん!」


早速ルッサラーナを装備して自分のステータスを確認する


――――――――――――――――――――

〈名前〉サタナ・クライ 

〈種族〉人族        

〈属性〉天    

〈レベル〉7       

〈ミンラ〉ステータスを閲覧できる  

〈職業〉ドラゴンライダー

〈能力〉体23・力18・守14+8

    速15・知52+31・運21  

――――――――――――――――――――


「よし、行きますか!」

「サタナ様! 頑張って下さい!」


――――――――――――――――――――

〈名前〉水スライム               

〈種族〉スライム族               

〈属性〉水                   

〈レベル〉10                 

〈ミンラ〉水の初級魔法を操る          

〈職業〉――                  

〈能力〉体31・力10・守22

    速11・知44・運29      

――――――――――――――――――――


『水スライムが現れた!』


「よーし! ルフト!」


『サタナのルフト!

 弱点!水スライムに37ダメージ!

水スライムは倒れた!』


「え…? 37ってナルディ並じゃない!?」

「凄いですサタナ様!」

「サタナ! でっかい奴が来ているのじゃ!」


――――――――――――――――――――

〈名前〉メガ水スライム

〈種族〉スライム族    

〈属性〉水        

〈レベル〉16   

〈ミンラ〉水の中級魔法を操る 

〈職業〉――      

〈能力〉体72・力31・守68

    速21・知59・運37

――――――――――――――――――――


自分よりも3倍ほど大きいスライムに足が自然と震えてしまう


「どうしよう…!」

「サタナ様…!」

「待つんじゃ! サタナに任せてみるのじゃ…!」

「分かりました…」

「えぇ!? 助けてよ!?」

「だめじゃ、ナルディに頼ってばかりでは良い主にはなれんぞ?」


サリさんに諭され、深呼吸をして目の前のメガ水スライムに向き直る


「そうだよね… うん! 頑張る!」


挿絵(By みてみん)


地図→https://www.pixiv.net/artworks/110365273

次回は8月5日です


・・・・・・


いつもより少し早めですいません

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