猫令嬢とお風呂
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彼の屋敷に着いた時には、もう夕方だった。
綺麗な女の人が、体を拭いてくれる。
首には、濃い青のリボンが巻かれた。
「名前は無いのか?」
なまえ? なまえって何?
首を傾けた。
「無いのか・・・・・・」
「考えたらどうですか?」
話したのはジャックと言う若い男の子。
「うーむ。リリーはどうだ?」
リリー? なまえ?
フロウム・アーティーは、数分悩んで猫に聞いた。
「にゃー」
目をキラキラとする。
「気に入ったみたいですよ」
そんなこんなで空色の猫、リリーは、アーティー家の仲間入りである。
夜は、鶏肉の茹でて食べやすくしたものと、ミルクだった。
もぐもぐと鶏肉を食べていると、視線を感じた。のでその方向を見ると、笑顔でリリーを見るフロウム。
びっくりするよね? ずっと見られてるんだもん。
「旦那様」
使用人に咎められてもこちらを見るので、リリーは素早く食べて、使用人のところへ向かった。
「あぁ、リリーが可愛すぎる」
そんな声が聞こえた気がした。
ぬるめのお湯が入った桶に浸かって、体の汚れを落とす。
石鹸というもので洗うと、もこもこした物に包まれた。
それをぬるま湯で落とすと、桶の中が灰色になった。
「リリー様、お痒いところはありませんか?」
「にゃーお」
聞いてきたのは先程専属というものになったハープ。女の子である。
お湯があったかい。
ぬくぬくとあったまる。
「そろそろお湯から出ましょうか」
「にゃー」
あったかいのをしっかりと堪能した後、桶から出て、ふわふわの布で乾かす。
タオルを嗅ぐといい匂いがした。
「よいしょ」
優しく、出来るだけ強めに。
そんな感じで拭いてくれる。
なんか気持ちいい。
「にゃーん」
「タオル、気に入りました?」
「にゃー」
気に入った。籠の中だとそんなの無かったし。
「お部屋に置いておきますね」
「にゃー?」
おへや? お部屋ってどこ?
「しばらくは旦那様のお部屋です」
フロウムと一緒?
「や、リリー様のスペースもありますから。決していきなり猫を連れて帰って来た旦那様に押し付けようとかじゃありませんから」
恐らく後者だろう。
でも、リリーはハープに拭かれるのが気持ちよかったから、いいの。
その後、てくてくと歩いてフロウムの部屋へ行った。
その日、アーティー侯爵家に空色の猫という癒しができたのでした。
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