第七話 必要な素材
俺たちはギルドを出て、港へ向かった。
アレス王国にもーちょっと居たいけど、俺は早くアイテムを揃えたいっていう心だから。
俺は、どんな苦難があろうが集めて見せる。
俺たちは船に乗り、一旦アップ大陸へ。
「でもさ、船に乗るチケットもうなくない。行きと帰り分のチケットしかないし、サムサ大陸の雪の結晶はどうするの?」
ナナが俺に向かって聞いてきた。
俺は少し考え、
「クエストの依頼の報酬にチケットくらいはあるんじゃないか?それで手にいれればいい」
俺はナナに向かって言う。
まぁ、チケットが依頼の報酬にあればの話だがな。
俺たちは窓から静かに景色を眺めていた。
きれいな海、さんさんの太陽。
涼しくなれる魔法があれば心地いいけどな。
色々と考えながらぼーとしていて時間は過ぎていき、ようやくアップ大陸に着いた。
俺たちは船を出ると背伸びをして体をほぐす。
船に乗っていると、体がなんか疲れるんだよな。
船酔いとかないよな。
俺たち二人は町に戻り、アップル図書館に来た。
ここはかなりの本があるから、まぁ退屈しのぎにはなる。
「あれれ、お二人さん帰ってきたんですね。魔法瓶は見つかりましたか?」
おじさんが声をかける。
俺はアイテムボックスから瓶を取り出し見せる。
「おー、これがアレス王国の魔法瓶ですか、液体が青いですね」
おじさんは俺たちに向かって言った。
「そうなんだよ。青いんだよ。なんか変な液体じゃないよな」
俺はそう呟く。
「それはそうと、また本を探しているのかい?」
おじさんは話を戻し、俺に聞いてくる。
「そうなんだよ、ひとつは分かるんだけど、ほか二つは分かんないんだよね。特に闇と光が混ざりし剣。そんな闇と光の剣なんてあるわけない」
俺はそう言った。
おじさんは少し考え、
「うーん、まぁその剣は作れなくはないらしいぞ、たまたま武器屋のおっちゃんと話していたんだ。
それで君たちのそれを武器屋のおっちゃんに言ったら、素材さえあれば作れなくはないそうだって、あと光の玉なんだけどそれはある人が持っているって聞いたことがある。
何でも、私はフレアの姉なの。この玉は空から私にめがけて降ってきたの。
これはフレアが持ってないとダメな気がするってな。
記事だから、ホントか嘘かは分からないがな。
デマカセかもしれん」
おじさんはそう俺たちに向かって話してくれた。
フレアさんのお姉さん?フレアさんには姉が居たのか。
もしかしたら、そのお姉さんに会えば色々分かるかも。
「あ、ありがとうございます」
俺はおじさんに頭を下げる。
「素材は聞かなくていいの?」
ナナが俺に向かって言う。
あ!
俺は頭をあげる。
「素材は、闇の石と光の石だそうだ。
どこで手にはいるかは、その武器屋のおっちゃんでも分からないんだと。
武器屋のおっちゃんはここの本でたまたま見たそうだから、素材がある場所までは書いてなかったと」
おじさんはそう言う。
「あ、そうそう忘れてた、剣もある剣じゃないといけないそうだよ。
銀の剣なんだって。
それじゃあ私は仕事に戻るとするよ」
おじさんはそう言い、受け付けに戻るのだった。
「なんかさ、すごくおじさんアイテムのこと分かりすぎてない。
怪しくない?」
ナナが俺に向かって言う。
「そうか?俺は優しくていいおじさんと思うけどな。
それにさ、色々情報が手にはいったじゃん。
早速、宿屋に泊まって整理しようぜ」
俺はナナの手をつなぎ、図書館から出る。
・・・・・・・・・・・・・
「君にしては、流石だよ。あの子達は我々の希望だ」
フード男がおじさんと話をしている。
「君こそ、どうしてフードを被っているんだ。
君はまだ生きているだろ」
おじさんはそう言った。
「あくまでも僕は死んだ存在だよ。あの戦いでぼこぼこにされていた。
命からがら逃げたけど、ほかのみんなは死んだ」
フード男がそう言う。
「やつはどうなったんだ?」
おじさんはそう言う。
「ルルが魔法で封じた。でも、そのあと殺されたよ、僕の目の前でね」
フード男はそう言った。
「まぁ、過去に戻ればなんとかなるのか?」
おじさんはそう聞いた。
「それは分かりません。けど、あの子達が来てくれるので変わるんじゃないですか?
過去を変えるのは危ないことだ。でも、それでも変えたい未来もあるもんですよ」
フード男はそう言った。
「君がそんなことを言うなんてね。伝説の冒険家フレアくん」
おじさんはそう言った。
「あなたも、変わりましたよね。前は研究者、今は図書館の管理人なんてね。
まあ、いいや。僕は二人を陰ながら見るつもりさ」
フレアはそう言い図書館から出たのであった。
「バレてたか」
おじさんはそう呟く。
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宿屋
「まずは、フレアさんのお姉さんに会いに行こう。
フレアさんはマンナカ大陸で生まれたそうだから、そこにお姉さんも居ると思うし」
俺はベッドで寝転がっているナナに向かって言う。
「チケットは?」
ナナはこちらを見て、そう言った。
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あと見てくれている人はありがとうございます。
このお話は異世界でもサラリーマンより短くなると思います。多分。