第一話 グオン、そしてアイテムボックス
俺たちはダンジョンの外に居る魔物を倒した!
正直言って俺たち下手すぎ。
「ふぅ、魔物を倒すだけでも一苦労だな」
俺は草むらに尻をつけ座る。
「う~ん、私たち誰からも武器の使い方とか教えてもらってないからね。
母さんも研究者だから」
ナナはため息をはく。
そう、俺たちの母さんは研究者いっつもサルルさんと研究してるって言ってた。
「ねぇ、一旦町に戻る?」
ナナは聞いてきた。
ここはアップ大陸。マンナカ大陸からは離れている。
「いや、もう少し魔物と戦って強くなろう」
俺は立ち上がりズボンの砂を払う。
「うん。分かったお兄ちゃんに着いていく」
ナナは嬉しそうに俺の横に来る。
その時!
ぐおおー!!!
二人の前に現れた魔物!
その名はグオン。
普通の魔物よりかは強い。
「ぐ、グオン!お、お兄ちゃん」
ナナは俺の後ろで震えて居る。
怖いのだろう、でも俺も怖いさ。
だけど、俺は!
「ナナ!怖がるな。こんなやつを倒せなきゃあいつには勝てない!一緒に強くなろう!」
俺はナナの震える手を握る。
「暖かいお兄ちゃんの手。私、怖いけど頑張る」
ナナも震える足で武器を構える。
「おし!ナナはサポートを頼む」
俺はグオンに向かって走る。
ぐおおー!!!
グオンがこちらに来る。
「今だ!」
俺はグオンを避ける。
「ナナ攻撃だ!」
俺はそう叫ぶ。
「うん!乱れうち!!!」
バンバン、バンバン!
ナナは弾を撃ちまくる!
ぐ、ぐおー!!
グオンが少し怯む。
「よし!火炎斬り!」
俺はグオンに向かって剣を振る。
ぐ、ぐお!
グオンが倒れる。
「よし!トドメだ!!」
俺はグオンの心臓をめがけて剣を刺す!
ぐ、ぐ、ぐお!
グオンはばたりと倒れた。
「はぁ、はぁ、はぁ」
俺は息を整える。
「お兄ちゃん」
ナナがこちらに走ってきた。
「ナナありがとな」
俺はナナの頭を撫でる。
ナナはいつものように頬を膨らませてこちらを見つめる。
俺はグオンから刺さった剣を抜き鞘に納める。
「これどうする?アイテムボックスなんて無いよ」
ナナが聞いてきた。
確かにアイテムボックスがないと不便だな。
「う~ん、どうしよう」
俺たちが困っていると近くに商人が歩いてきた。
「これはあなた方が倒したグオンですか?」
商人が聞いてきた。
「あ、はい。倒しました」
俺は商人に向かってそう言った。
「それを譲って貰えないでしょうか?実はグオンを探していまして、素材が必要なんですよね」
商人が俺たちを見ながらそう言った。
この人欲しいのだろうな。
「良いですけど、タダではあげません。
アイテムボックスをくれませんか?」
ナナが商人に向かって言う。
「アイテムボックスですか?え?それでいいんですか?」
商人が聞いてくる。
「はい、それで構いません」
ナナは商人に向かってそう言った。
「分かりました。ちょっと待っててくださいね」
商人はそう言いかばんからボックスを取り出す。
「はい、これがアイテムボックスです。それと、冒険者なのでこれもおまけです」
商人はアイテムボックスと回復ボトル、そして弾、割引券をくれた。
この商人はいい人だ。
俺は心の中でそう思う。
そして、商人はグオンをアイテムボックスの中に吸い込ませ、俺たちと別れた。
「やったねお兄ちゃん、これでアイテムを中に入れられるね」
ナナは嬉しそうに笑う。
笑顔がいい。
「そうだな。戻ろう。町に」
俺はそうナナに向かっていい、町に向かって歩くのだった。
「グオンを倒したか」
男はそう言い姿を消す。
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