99話 ギョッル川
そして、俺達は移動している。
数分前と違う所があるとすれば、ゲリとフレキが俺の横を歩いている事だろう。
ネロが先頭、その左右にラスとクーペ、そしてネロ達の後ろに俺、俺の横にゲリとフレキが居る。
それにしても……ゲリとフレキね。
北欧神話の主神、オーディンに仕える狼達……。
あれ? 確か、フギンとムニンもそうだった気が……。
…………。俺……中々にヤバい位置に居るのでは───
『陛下、どうか致しましたか?』
フレキが訊いてくる。
「いや、何でもないよ……。てか、何処に向かって歩いているの?」
『それはですね……』
どうしたんだろう?
俺には言いにくいのかな……?
なら、深くは訊かない様にしないとね。
「そっか、じゃあ、いいや」
『! 失望させてしまいましたか!?』
飛び乗ってくる様な勢いで訊いてくる。
「? ど、どういう事だ? 別に俺は、言いにくい内容なのかな……って思っただけで───」
あ……つい、本音を言っちゃった───
『そう思われたのですね。これはフレキの言い方の問題でしょう。申し訳ありません、テオス様』
「いや、こっちこそ。ごめんな」
『陛下が謝ることでは……』
「あ、で……どこに向かってるの?」
『そうですね。今、ここが何処かご存知ですか?』
ここが何処か……?
そんなの知らん。
「いや、知らないけど?」
『では、その説明からさせて頂きます』
「うん。宜しく」
俺がそう言うと同時にゲリが話し始める。
『ここは……冥獄界。冥界神様が治める地です』
ハデス……。
ん? ハデスがヘルヘイムを……?
ヘルヘイムはヘルが統治しているんじゃ───あぁ、そっか、それは神話の中での話だったな……。
ここは現実だ。
神話と違う所があるのは当然だ。
そもそも、神話と似た世界がある時点で凄い事なんだよな……。
「そうなんだ」
って事は……フヴェルゲルミルは───
『はい。そして、今横に流れている川はギョッルと呼ばれる川です』
ギョッル……?
もしかして、ギョッル川のことか……?
それに、この川の源流は、確か……
『陛下達が向かわれるのは、この川の源流……界遮聖泉です』
あぁ、そう言うことか。
だから、フヴェルゲルミルって言っていたのか……。
確か……フヴェルゲルミルはユグドラシルの根が伸びている場所だったな。
「ありがとう、教えてくれて」
『いえ、お役に立てたのなら、有り難い限りで御座います』
そう言って、ゲリが頭を下げる。
ハデスの正体とは───!?
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